2017年9月24日
コンセプトを決めて、生地、柄、配色、技法を決める、その作品の基礎となる設計図のようなものをつくる作業です。その設計方針に基づき、原寸の紙に青花液で「下絵」を描き「下図」を作成します。のちに洗い流すことのできる青花液の下絵は、仕事の形が残りません。しかし、下絵は友禅の命の源となる作業です
分業の世界では、「下絵師」さんが下図を描きます。下絵師さんは、下絵を描いて何十年という熟練の職人さんです。下絵師、糸目糊置き、友禅挿し、それぞれの熟練職人さんの分業により完成する作品には、長年の経験と技術を持つ総合プロデューサー(染匠)さんが欠かせません。種を蒔いて育て世に送り出す、懐深い親のような存在、それが染匠(せんしょう)さんです
作家さんの作品では、作家本人が最初から最後まで全ての工程を担います。そのため、作品設計はもちろん「下図」も作家さん本人が描きます。作家さん独自の世界観が全ての工程にわたり息づいていきます。完成品は、作品であり人である、お気に入りの作家さんとの出会いは奇跡の瞬間でもあります。
どちらの世界の作品にも、それぞれに携わる人の手の温もり、作品への思い、図柄を通じてそれらを間近に感じることができるのも友禅染めの魅力の一つです。
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