2019年2月21日
春がゆっくりと近づく頃となりました。とはいえまだまだ寒さの沁みる2月でございます。こんな季節には紬のお着物が良く似合う。
本日は、後染めの紬作品をお誂え下さいましたお客様をご紹介いたします。
後染め紬「畳縞」
後染め、つまり紬の白生地に「畳縞」の文様を型染めしたお着物です。京都の染め工房で染められた作品です。
「畳縞」とは、私たちが目にするイ草を編んで織り上げた、その畳のことです。畳の編み目を柄にしたという古くからある模様ですが、暮らしの道具をこんなに粋で可愛いデザインに仕上げる発想、先人たちのデザイン力にも感動いたします。
「畳縞」の文様は、江戸小紋の文様にもございますが、色々なデザインの型紙がございます。こちらの畳縞は京都の工房のデザインです。当店の「おあつらえ江戸小紋」では畳縞の文様はご用意がございませんのでお染めできませんが、たまにこんな素敵な一点ものの作品もご紹介しております。
紬ですが、染めの着物、でも紬。真綿の素材感と染めのやわらかさ、両方を併せ持つお着物です。
お客様のM様は、いつも固めの紬織物をお好みになられますが、こちらのお着物は、色柄ともにとってもお気に召して下さり、コーディネートを楽しんで下さっています。
あわせて下さいました帯も、同じ工房の作品です。「墨流し」という方法で染めた、こちらも紬地に染めの名古屋帯です。粋でシックなコーディネートがお好みのM様には、お手持ちのお着物にも合わせやすいユニークな創作帯をお選び下さいました。
帯揚げと帯締めのチョイスも、いつもとてもお洒落です。多色を好まないコーディネートですが、帯締めのモスグリーンとオレンジの染め分け、帯揚げのぼかしの草色がとても良くお似合いです。なんと、帯揚げはご自身で染められた作品なんです。
M様は、絞り染めを習っておられて、帯揚げのみならず、帯や長襦袢も染めていらっしゃいます。お着物好きが高じてお着物周りのお稽古をなさるお客様も多くいらっしゃいますが、ご自身の作品を身に着けることのできる楽しさはまた格別でございますね。
この日の長襦袢は今年の新作、実はブログ掲載直後にお求め下さいました、こちら。袖口や振りからチラッと見える長襦袢には可愛いひょうたん。まもなく春の芽吹きとともに、ひょうたんの中に潜ませた秘密の種から素敵な芽が出て花の咲く季節でございます(*^^*)
そして、まだ寒風の吹く日でございましたので、羽織にショールをお召しになってお出かけ下さいました。
お着物のショールって、首回りをちゃんと防寒できて、カッコよく巻き付けるにはどうすればいいかな・・・M様のお洒落な巻き方はこんな感じ。お気に入りのブローチでお洒落に留めて、これでもうずり落ちることもないし寒さも防げて、しかも可愛い。お洒落上手なM様ならではでございます(*^^*)
M様はお仕事のないお休みの日には、特別なご用がなくてもお着物にお袖を通してお出かけになられます。美術館やお稽古や、ショッピングや何やかんや・・・
うんとお若い頃にお茶をなさってお着物をお召しになられていたそうですが、その後しばし中断され、再開されて10年余り。色んな人生を経験してからのお着物ライフは、ご自身のお好みやライフスタイルに寄り添う心地の良い選択ができるのも楽しいことでございまね。
年齢を重ねていくことは、ご自身にとって気持ちの良いお洒落上手になる!ということでもございます。どうぞ皆さまも、お一人お一人の心地の良いお着物ライフをお楽しみになられますように!ご相談もおしゃべりも、お気軽にお待ち申し上げております。
M様、この度は素敵な着姿をご披露下さりありがとうございます。また四季折々の装いやお着物ライフのアイデアなど、お話できますのを楽しみに致しております(*^^)v
*お知らせ*
お店では、お客様おあつらえ写真集にご登場頂けますお客様をお待ちしております。どうぞぜひ、おあつらえ下さいましたお着物で、遊びにいらして下さいませ!!または、ご着用のお写真をお送り下さいましても嬉しいです。(お顔NGの場合はそのようにさせて頂きますのでご安心を)楽しみにお待ち申し上げております。
お問い合わせはこちら