2023年5月22日
単衣の季節、爽やかで素敵なお客様をお迎えいたしました。
お誂えを下さいましたのは、2017年のことでした。これまで何度もお袖を通して下さいました江戸小紋、すっきりと粋にお召しの姿にお会いできて、とても嬉しく御礼申し上げます。
江戸小紋「うずまき文様」
江戸小紋ではとても難しい、淡い爽やかなお色をご指定下さいました。江戸小紋は、細やかな文様がだいご味の染めですので、あまりに淡い色ですと柄が見えなくなってしまいます。そのギリギリの色合いを職人さんが見事に見極めてお染めした、まさに作品といえる染め上がりです。
単衣の季節に、いかにも涼やかで、ほんのりとした甘い香りもあり、お客様がうんと吟味してこだわって下さいましたお色です。
実は、単衣の裏染めとして、お色を変えて「雪月花」の文字染めをしているのですが、画像ではとても写りきらない、かすかな楽しみとなりました。
江戸小紋の染めでは、わかる人にしかわからない、ご自分だけのこだわり♪という境地がございます。オーダーならではの楽しみをじっくり味わって下さいましたお誂えでございました。
お客様のK様は、5月のとある日に夕方にぶらりとお寄り下さって、緑色の浴衣もお求めくださいました。しばらくお会いできないうちに、和裁を習われたとのことで、ご自身でお仕立て下さるとのこと。考えてみれば、緑系のお色に茶系のコーディネートがお好きでしたね!なんてお話にも花が咲き、嬉しい再会でございました。
いつもビシッとした美しいお着付けをなさるK様ですが、この日は、素敵な先輩との久しぶりの会食にお出かけになられるとのことで、さらに衣紋の抜きも美しく、ちょっと惚れ惚れいたします。
新緑の草木がかおる季節の夜風はまた気持ちよく、玄関のお外でお見送りをさせて頂くと、薄闇の夜の街にひときわキレイに溶け込んでいらっしゃいました。
今年の秋にお店は閉店を迎えさせて頂きますが、これまでの長い年月にわたり、多くの江戸小紋を送り出してまいりました。きっと皆さまのおそばで、ぬくぬくのんびりと大事にされていることと思います。これから先のお着物ライフにも、ぜひどうぞ、心休まるお供として末永くお召し下さいませ。こっそりと時々思い浮かべつつ、店主引退後の大事な心の支えとしてまいりたいと思います。
※江戸小紋のおあつらえお申込み期限:6月末まででございます。もし、お心残りがありましたら、どうぞ何なりとご相談下さいませ。
K様、あの「フランス縞」とこの「うずまき」さん、これからもずっと折に触れ、楽しいひと時をご一緒頂けますように。ありがとうございます。
*お知らせ*
お店では、お客様おあつらえ写真集にご登場頂けますお客様をお待ちしております。どうぞぜひ、おあつらえ下さいましたお着物で、遊びにいらして下さいませ!!または、ご着用のお写真をお送り下さいましても嬉しいです。(お顔NGの場合はそのようにさせて頂きますのでご安心を)楽しみにお待ち申し上げております。
お問い合わせはこちら