2022年6月22日
梅雨のさ中でございます。こんな季節の単衣に大活躍するのが、湿気にも強い「大島紬」❣
この度は(今では大変希少なものとなりました)特許製法「白恵泥(はっけいどろ)」の白大島(単衣仕立て)をお召し下さいましたお客様の素敵な着姿をご紹介いたします。
白恵泥大島紬9マルキ片ス「風雅春秋」×博多帯
白大島は糸を染めないのが通常です。絹糸の白を生かして絣を織り込んでいくのが白大島。しかし「白恵泥(はっけいどろ)」の白大島は、泥染めの特質と風合いを白大島にも生かしたい!との思いから、薩摩焼の原料となる白土に注目して開発された「白泥染め」の白大島です。
ただ大変残念ながら、製造元である恵大島紬織物さんはすでに廃業されてしまい、(現在は、恵織物出身の益田勇吉氏により一部引き継がれていますが)このような手の込んだ絣を織り込んだ白恵泥大島は手に入らなくなってしまいました。
お客様のN様は、大島紬が大好きで、特にこの微細な絣模様をお気に召して下さいます。コロナ禍となる直前の大島紬展で、やっとのことでほんの数反ご用意できた「白恵泥」の作品の中から、「9マルキ」という(9マルキさえもすでに大変希少性の高いち密な絣柄ですが)その微細な絣のお品に心を寄せて下さいました。
可愛らしいお花柄に細やかな有職文様、古典柄でありながらモダンな可愛らしさがとっても美しい、ちょっとため息の出る素晴らしい作品です。
コロナ禍となり、なかなかお袖を通せる機会がなくて、ようやく先日やっとお召し下さいました!
ちょこっとお出かけついでに着姿をご披露下さり、やはりなんとも美しい、白大島ながら白の際立つ潤いのある大島紬でございます。お好きなお色「ターコイズ色」の帯揚げを効かせ色に、季節柄ガラスの帯留めをアクセントにコーディネート下さいました。
思えば、この博多帯も、ずっと以前にお求め頂いたものでした。手の込んだ大島紬でありますが、とはいえ気楽なお出かけにお召し頂けるのが大島紬!カジュアルコーデが気持ちよく仕上がります。
近ごろは髪を伸ばされて、アップヘアもサクサクとお出来になられるようになりました。お客様のN様は、春風のような優しいやわらかな雰囲気の中に、芯のある繊細なお心持ちの方でありまして、この愛らしさと繊細さをあわせもつ大島の装いがとても良くお似合いになられます。
シンプルなシースルーの羽織も、白大島にとても良く映ります。夏が近づく頃となり、清々しい涼感のある装いは、街行く人の目も癒してくれることと思います。
N様は、かれこれ10年以上も前のこと、お嬢様が中学校の茶道クラブに入っていらっしゃる頃から、時々訪ねて下さいます。お着物を作られる時には、後にお嬢様サイズにお仕立替えができるように!というオーダーを頂きながら、ご成長を楽しみにしてこられました。
そして昨年には、いよいよ社会人となり一人暮らしをされるようになって、ちょっぴりお寂しいかなと心配しておりましたが、なんとなんと、やっぱり大人になってもお着物好きでいらして下さるお嬢様!時々母娘で着物デートにお出かけになられているのです。そうそう、先日は以前にお作り頂いた江戸小紋を、いよいよお嬢様サイズに仕立て直しもさせて頂きました。
時の流れとともに、ご家族のライフステージに寄り添いながら、上手にお着物ライフを楽しんで下さることは大変に素晴らしいことで、時々お聞きするお子様方のご活躍の様子も、ほのぼのと胸にしみております。
N様、ようやくこの白恵泥大島のお姿を拝見できて大変嬉しい日でございました。大島はこれからのお着物ライフにもお召しになりやすく、末永く愛して頂けるお着物でございます。お嬢様サイズへのお仕立て替えはずっと先伸ばしにして頂きまして(^^;)、十分な時間をかけて色んなコーディネートを楽しんで下さいませ。
技を極めた大島が少なくなる中でも、大事に愛して下さること、心より御礼申し上げます。ご立派になられたお嬢様にも、またいつか、お目にかかれますのを楽しみにしております(^O^)
*お知らせ*
お店では、お客様おあつらえ写真集にご登場頂けますお客様をお待ちしております。どうぞぜひ、おあつらえ下さいましたお着物で、遊びにいらして下さいませ!!または、ご着用のお写真をお送り下さいましても嬉しいです。(お顔NGの場合はそのようにさせて頂きますのでご安心を)楽しみにお待ち申し上げております。
お問い合わせはこちら