2022年5月28日
梅雨入り間近となりました。本格的な単衣の時期でございます。
この度は、そんな季節でも、湿気にも強く心地よい軽さが魅力!単衣の大島紬でお出かけ下さいましたお客様の、素敵な装いをご紹介いたします。
単衣仕立ての大島紬
「白恵泥」絵羽柄大島
お店では定期的に「大島紬」を盛りだくさんにご紹介する会をご案内しておりますが、コロナ禍となりこの春には2年ぶりに開催することができました。
この度ご紹介いたしますお客様のM様は、じわりじわりと人生のターニングポイントを上手に穏やかに切り抜けてこられたお客様です。
と申しますのは、長く続けてこられたお茶を少し前に卒業されたり、お仕事をリタイアされたり、お子様方はあれよあれよとご結婚されたりお孫さんが産まれたり(そんなこんなは、ある時期に慌ただしくまとまって巡りくるわけですが)、だからこれからのお着物ライフは、ご自身の今に寄り添ってくれる、肩のこらない好きなもの、を身にまといたいです!
ということで、この春におみそめ下さいましたのが、特許製法「白恵泥」を使った、絵羽柄の大島紬です。
白恵泥は、薩摩焼にも使われる泥染めの染料で、通常の白大島と違うのは、白を泥で染めているところです。
白恵泥染めの糸の特筆すべき点は、まずシワになりにくい、しなやかな風合い、色あせしない発色の美しさ!ですが、現在では特許を取得された工房が廃業され、白恵泥は幻の染料となりつつありますが、こちらは、その工房から独立して白恵泥を引き継がれている益田勇吉氏による作品でございます。
ヨコ糸のみで絣柄を織り出しています。そのため、霞のような美しい絣模様が特徴です。
お顔や胸周りの、涼やかな絣柄が単衣の季節にぴったりです!
衿周りのグレーベージュ系の色合いは、年齢を感じさせない程よい明るさがあります。裾模様のシックでありながら愛らしい配色も大変お気に召して頂き、お客様のこれからのお洒落着として、ずっと長くご愛用頂けるお着物になりました。
大島は、観劇やコンサート、特別なお食事会には、ちょこっとお洒落な帯を合わせて頂いたり、ご家族でのお集まりやご友人とのお出かけには、お好みの名古屋帯が気軽にあわせられます。絵羽柄だからとかしこまることがないのも嬉しいです。
この日合わせて頂いた帯は、帯屋捨松さんの夏名古屋帯「波千鳥」です。同系色の帯だから、帯揚げは効かせ色、帯締めはちょっとアクセントを感じられるように賑やかにしてみました(*^^*)
そうそう、その日の気分で遊べるのも、大島の楽しいところでございます。
お店を開業して15年になりますが、お客様は皆さま、様々な出来事の降りかかる人生をコツコツお忙しく歩まれる、そのわずかな休息時間にお店を訪ねて下さいます。
M様が当店を訪ねて下さるようになって、かれこれ8年になります。当初はお茶に着られる江戸小紋、付下げ、のご注文を頂きました。それからゆっくりしたと月日を経て、この頃は色んな肩の荷を少しずつ下ろしていかれて、この先は、うんと人生の楽しい季節を過ごしていかれるのですね、って思いますと、ちょっとジンワリしてしまいました。
この大島が、これから事あるごとにM様を包み込み、たくさんの幸せな思い出づくりに活躍してくれますようにと、心より願っております。
M様、また色んなコーディネートで遊びにいらして下さいませ。おしゃべりできますのを(度々わたしの愚痴にもお付き合い下さったりしてスミマセン)、お目にかかれますのをいつも楽しみにお待ちしております。
*お知らせ*
お店では、お客様おあつらえ写真集にご登場頂けますお客様をお待ちしております。どうぞぜひ、おあつらえ下さいましたお着物で、遊びにいらして下さいませ!!または、ご着用のお写真をお送り下さいましても嬉しいです。(お顔NGの場合はそのようにさせて頂きますのでご安心を)楽しみにお待ち申し上げております。
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