2021年10月8日
宣言が明けて、お着物でお出かけ下さる方がチラホラ増えて、やっとお店に笑顔と笑い声が響くようになりました。ありがとうございます。
しかし、10月に入っても昼間の暑さがおさまらない日が続きます。そうなると、お出かけはまだ単衣でなくちゃ!本日は、単衣の紬でお出かけ下さいましたお客様をご紹介いたします。
初秋の三才山紬
三才山紬は、信州の三才山にあるたった一軒の工房、ご一家で昔ながらの製法を頑固に守り続けておられる横山俊一郎さんの工房でつくられている、草木染め手織りの紬織物です。
山漆と栗の染料を用いて、草木染めでしか、この一度きりしか出せないお色。ベタっとした無地ではなく、紬糸の節を感じたり、手織りによる微妙な濃淡が心に沁みる作品です。
また、三才山紬は、タテ糸に「生糸」をヨコ糸には手紡ぎの「真綿糸」が用いられています。そのため真綿のみの紬に比べると、大変にしなやかで滑りも良く、袷のみならず、単衣にもお召しになりやすい織物であることも特徴です。
一昨年の「草木染め紬の会」でおみそめ下さり、お単衣仕立てをご注文下さいました。
お客様のK様は、お着物が大好きでいらして下さり、コロナ禍ではなかなかお袖を通すことができなかったけれど、こうして下火になった合間にお出かけを楽しんで下さいます。
三才山紬は、清々しい縞模様の単衣と、こちらの山漆の単衣、2着をお召し下さっています。暑がりさんのK様には、足さばきの良い紬織物「三才山紬」が心地よく寄り添ってくれることが、とてもうれしいです。
帯は染織作家さんの作品で、草木染めの紬の色合いにも、素晴らしくセンス良くあわせて下さいました。
時々お着物のコーディネートに悩まれる方も多くいらっしゃいますが、K様の着こなしは、ちょっとお手本になるんじゃないかと思っています。センスというのは好みということでもありますから、この組み合わせ好きだわ~と思う、ご自身にとって心地よいコーデが一番なのです。K様の着こなしを拝見していると、しみじみそう思います。
はじめてご来店下さった時は、5年ほど前でした。最初の一歩は、お家で眠っていた地紋入りの白生地に江戸小紋をお染めすることでした。
※その着姿はこちらでご紹介しています⇒こっくり紺色、行儀文様おあつらえ
いつも、ご自身が気持ちよく好きだなと思われる色柄、を上手に選んで下さいます。それはきっと、伝統と古典、何より職人技へのご理解と関心が深く、染め織り問わずに、作り手さんの手技を愛しんで下さることから始まるのだなと思います。
そろりそろりと、コロナの世にも明るさが戻ってまいりました。そろそろどうぞ、ご自身の好きを探しにお出かけしませんか?お着物にお袖を通すと、眠っていた非日常の喜びが戻ってまいります。するときっと、新しい刺激と感動が蘇ってくることと思います。
K様、コロナ禍では当店のことも随分とご心配下さり、シーンとしたお店にお訪ね下さると、その度にウルウルしておりました。暑がりさんにも、ゆっくりと深まりゆく秋が、お出かけを快適にしてくれる季節。ぜひまた、お買物ついでにも、ぶらりとお立ち寄りくださいませ。いつも、お目にかかれますのを楽しみにお待ちしております。ありがとうございます。
*お知らせ*
お店では、お客様おあつらえ写真集にご登場頂けますお客様をお待ちしております。どうぞぜひ、おあつらえ下さいましたお着物で、遊びにいらして下さいませ!!または、ご着用のお写真をお送り下さいましても嬉しいです。(お顔NGの場合はそのようにさせて頂きますのでご安心を)楽しみにお待ち申し上げております
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