2019年4月9日
桜の花びらが風に舞い空を桜色に染める頃となりました。桜満開の週末、お着物姿がとても美しく映える日に、とても素敵なお客様をお迎えいたしました。とても可愛らしくて心癒される着姿をご紹介させて頂きます。
江戸小紋「キツネにあられ」
江戸小紋の文様の中にはユニークで愛らしい柄が数多くありますが、中でも「キツネにあられ」のこちらの文様は、お誂えを頂くことは少なくて、キツネたちは今か今かと出番をお待ちしておりました。
可愛らしいキツネさん、立派な尻尾をはためかせて飛び回る、古くから親しまれた文様です。
お客様のご希望で、シャンパンオレンジの美しいお色でお染めいたしました。
実は、お客様のM様は、8年前に初めてご来店下さった時には、20歳を迎えたばかり、当店史上最もお若いお客様でした。大事なアルバイトでコツコツと貯めて頂いた貯金を握りしめてご来店下さいましたのです。 ※8年前のご紹介記事はこちら⇒こちら(当時の記事ではMちゃんとお呼びしていますが、いえいえもう立派な社会人さん、今日はM様と呼ばせてください)
当時大学生さんでいらしたM様が、その後どんどんご成長される様子を風の便りにお聞きしていたものの、なかなかお会いすることが叶わず、今年になって数年ぶりにやっと訪ねて下さったのです。なんともうすっかり立派な社会人さんになられたM様。
とはいえ、まだまだ20代。当店では最年少のお客様であることに変わりございません(^^;)
とってもお気に召して下さり、この日は貴重な休日ということで、お友だちと美術館&お食事へ❣ 本当に可愛らしくて愛らしくて、きっとお会いになった誰をも幸せな気分にしてくれる素敵な着姿です(#^.^#)
ご来店の際に、「キツネ」の文様を心に決めて来て下さいました。というのは、この帯にあわせたい!ということでございましたのです。
なんと都会の夜にキツネの行列。これはどういうこと?
想像力豊かなM様と、色んな妄想を繰り広げてみたりして。例えば、キツネの王様がどうしても会いたい人間がいて、人目につかない真夜中に人間の街に出てきました。人目といっても、その姿は見える人にしか見えないのです。
何しろキツネといえば、お稲荷神様のお使いでもあるわけで、誰でも神様のお使いに会えるわけではないのですから。きっとキツネさんたちはキツネの誰かを助けたとか、キツネの国を守ってあげたとか、何か素敵な人間に会いに来たのに違いない。えっ?それってM様???なんて(*^^*)
そうそう、キツネ柄は、そういうわけで江戸時代から縁起の良い柄として親しまれてきた文様です。
江戸小紋の「キツネにあられ」はまるで、キツネさんがお嫁入行列をする「お天気雨」のようでもあります。お天気雨の後には虹がかかり、その年は豊作になると伝えられ、お天気雨は吉兆の知らせなんて言われます。
ほんわかと心豊かになる文様でございます。
※キツネにあられ「おあつらえ」ページ⇒こちら(本日ご紹介のお客様のお色はオリジナル色でお染めしています)
長いこと営業を続けておりますと、お客様の名簿は年々どんどん増えてまいりますが、もう一度!お目にかかれますことはそれほど多くはありません。もちろん、ちょくちょくお尋ね下さる素敵なお客様もたくさんいらっしゃいますが、一期一会かもしれない方もとても多くいらっしゃいます。寂しいことでございますが、その後どうなさっているのか知る由もないのです。
なのでM様も、もうすっかり社会でご活躍の身の上となられて、もうお会いできないのかもしれないな、なんて薄々思っておりましたところでした。
なのにこんな素晴らしい再会の機会を頂戴できましたことは、大変に嬉しくて、ちょっとキツネの一員になってしまいたいぐらいです。(あっ、キツネは神様のお使いなので、ちょっと無理でした(^^;)
もしかしてブログをお訪ね下さる方の中にも、何年も変わらず開いて下さっている方もいらっしゃるかもしれません。
素敵な春になりました。もし足が向かれましたら、どうぞ変わらずお気軽に!そろそろお会いいたしませんか?お目にかかれますのをいつも楽しみにお待ちしております。
M様、この度は素晴らしく素敵な着姿をご披露下さりありがとうございます。新しい春からはまた心機一転、ワクワク楽しい春でありますように(^^♪
*お知らせ*
お店では、お客様おあつらえ写真集にご登場頂けますお客様をお待ちしております。どうぞぜひ、おあつらえ下さいましたお着物で、遊びにいらして下さいませ!!または、ご着用のお写真をお送り下さいましても嬉しいです。(お顔NGの場合はそのようにさせて頂きますのでご安心を)楽しみにお待ち申し上げております。
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