お題「万葉集」お題「万葉集」

2019年10月1日

お題「万葉集」

本日より、店内がうんと華やかになりました。素敵な友禅染め帯の世界をご堪能頂ける一週間でございます。どうぞご一緒にお楽しみ頂けましたら嬉しいです。

先日からはこちらのブログでも色々とご紹介をしております。気になるお品がございましたら、お気軽にお問合せ下さい(*^^)v

10/1(火)~10/5(土)

「秋の友禅染め帯展」

(期間中お仕立て無料!)

本日は東京友禅の作家作品をご紹介いたします。毎年、年に一度だけ、東京友禅の作家作品のご案内をしております。

毎年、東京友禅の作家チームでは「お題」を決めて新作を制作されています。今年のお題は令和元年にちなんで「万葉集」。それぞれの作家さんが、万葉集の一節を作品に描きました。

数ある歌の中から選ばれた世界、さて、どんな世界なのでしょう。

 

「田邊慶子」先生の作品です。

磐代の 浜松が枝を 引き結び
真幸くあらば また還り見む(有間皇子)

飛鳥時代、時の天皇の子息である有間皇子が、策謀の裏切りにあい捉えられて移送される際に、磐代(和歌山)で詠んだ歌です。

松の枝を結んで幸運を祈る風習にちなみ、また無事に帰ってくることができたら、帰りにこの枝を見よう。そんな思いを歌にしました。

しかしながら、わずか18歳の若さでこの世を去ることとなり、もう一度その枝を見ることは叶いませんでした。しかしその後も松の枝は、皇子の帰りを待っているのでしょうか。

流れる水に足先を浸す、あわれな皇子の後姿に、心を寄せたくなる作品です。

こちらは「染谷洋」先生の作品です。

うぐひすの卵の中にほととぎす
ひとり生まれて・・・(高橋虫麻呂)

万葉集の中の長歌より。

自ら巣を持たないホトトギスは、卵を温めることもヒナを育てることもいたしません。ホトトギスはウグイスの巣に卵を産み込んで育ててもらうという習性があるそうで、その様子を情緒たっぷりに詠んだ句です。

父も母も知らず、一人で生まれ出たホトトギス。でもお前は伸び伸びと飛び回って元気に鳴いている。なんとも無邪気で可愛らしい。どうか、私の庭の花橘にいつまでも住み着いてくれないだろうか。そんな歌です。

孤高なホトトギスの、哀愁を感じる歌の世界を描いた作品。そっと寄り添ってあげたくなる、花橘の中のホトトギスです。

ホトトギス、どこにも行かずにいておくれ。

孤独なホトトギスに、たっぷりの愛を注いで下さる方、お待ちしてます。

秋の夜長、心に沁みる孤愁を感じる作品が続きましたが、こちらは一転、ほっこり温まる美しい作品です。

「岩間奨」先生の作品です。

新しき年の初めの初春の
今日降る雪の いや重け吉事(大伴家持)

新しい年の初めの初春の今日、降る雪のように、良いことがたくさん積りますように!

赤い南天の実に積もる粉雪が誠に美しい作品です。この句を読まれて雪の積もる南天を描く!という、岩間先生の豊かで繊細なお心に深く感動してしまいました。

ハラハラ積もる粉雪は、まるで本当の雪のようです。寒い季節に彩りを添えてくれる景色に、新しい年の希望が降り積もるようです。

難を転じるといわれる南天と、やわらかな雪、明るい兆しを感じさせてくれる素敵な情景です。

「本田早苗」先生の作品です。

春雨に 争ひかねて 我が宿の
桜の花は 咲きそめにけり(よみ人しらず)

雪が止み、春が来て、桜が咲き始める頃には春雨が良く降る。桜はその春雨と競うように咲き、そして春雨に打たれながら散るものだ。

もしかすると、桜の心を知るのは、春雨なのかもしれません。あれ?桜の下に誰かいる(*^^*)

そうです。本田先生はネコちゃん先生でもあり、先生の作品に多く登場する可愛いネコちゃん。春雨ばかりではありません、桜の心を知るのは、この子も同じ。春の雨はネコちゃんの心もしっとり濡らしているのかもしれません。

「熊沢吉治」先生の作品です。

秋山の 木の葉を見ては
黄葉(もみち)をば 取りてぞ偲ふ
青きをば置きてぞ嘆く そこし恨めし
秋山我れは (額田王)

秋山の木の葉を見ては色づいた葉っぱを手に取って愛でる。青い葉っぱを見ると、黄葉したらどんなにか美しいだろうかと恨めしくなる。でも、私は秋の山が好きです。

実はこの歌には前句があって、花が咲き鳥が歌う春のことを詠んでおり、その上で、それでもどちらかと聞かれれば、私は「秋」を選ぶと詠んだ句です。

確かに、赤や黄色の燃えるような山の美しさ、まもなく枯れ色となる寸前の山の燃えようは例えようもありませんね。春と秋、皆さまはどちらがお好きでしょうか?

私は、迷わず「秋」です(*^^*)

東京友禅の作家作品は、この他にも、期間中は店内で盛りだくさんに展示いたしております。

出来る限りブログでもご紹介してまいりたいと思いますが、すべてをご案内することができませんので、もしお時間がありましたら、ぜひ、遊びにいらっしゃいませんでしょうか?

作家さんの作品には、作家さんそれぞれの物語があり、味わえば味わうほどに、しみじみと心に沁みる作品たちでございます。

年に一度の機会でございます。

お目にかかれますのを楽しみにお待ちしております。

 

※「おあつらえ江戸小紋」専門サイト:ただ今、消費税改定に伴うトラブルが発生しておりまして、修正作業に精を出しております。明日じゅうには再開させますので、どうかお待ちくださいませm(__)m

 

<営業時間>

火・水   午前11:00~午後6:00

木・金・土 午前11:00~午後7:00

定休日:日曜日・月曜日

お問い合わせはこちら

検索

つれづれ日記「恋衣」について

つれづれ日記「恋衣」
について

店主ブログでございます。
お店でご紹介しているお品や楽しい催事のことはもちろん、お着物周りのお話から、日々思うことや趣味のお話まで、徒然なるままに綴っております。
“恋衣(こいごろも)”とは忘れられない恋のこと。気になるお品やお話などがありましたらどうぞお気軽にお問合せ下さいませ。

旧ブログ
「店主のつれづれ日記」はこちら

お問い合わせはこちら

カテゴリー

おあつらえバナー

カレンダー

2019年11月
« 10月    
 123
45678910
11121314151617
18192021222324
252627282930  

Twitterタイムライン

Instagramフィード