2019年9月13日
さて、秋らしい心地の良い気温になりました。そして今夜は「十五夜」です。
画像の月は、十五夜前夜の昨夜の月です。瞬く間に厚い雲に隠れてしまいましたが、今宵はどうでしょう。どんより曇り空の一日ですが、十五夜お月様にはぜひお目にかかれると良いですね。
のっけから私ごとで恐縮ですが、毎日閉店後には夕飯の食材調達にスーパーに駆け込んでいます。ところが今更ですがスーパーは朝9時半には開店するのだと気づき、この頃は朝活仕事の合間に買い出しできたりして。朝いちばんには割引のお惣菜はないのですが、でもその日一番のホクホクな食材たちは気持ちを豊かに胸いっぱい満たしてくれます。
そこで今朝「お月見をかし」を買いました。閉店後に駆け込んだのでは売り切れているに違いないなと連れ帰り、兎と月の形をしたお菓子を眺めて、夜を待たずにお月様を捕まえられた、ちょっと得した気分です。
今宵夜空の月はどうでしょうか・・・
秋風にたなびく雲の絶え間より
もれ出ずる月の影のさやけさ
(新古今集/左京大夫顕輔)
素晴らしい歌だなぁと、毎年この季節にしみじみ感慨にふけってしまいます。街の灯りがどれもくすんで見えるほど、夜空の月は輝いているようです。気持ちの良い秋風に吹かれてお空を仰ぐ、爽やかな夜を想うと、狭い事務所で冷や汗をかいてても、うふふっと嬉しくなってしまいます。
さて、秋の夜長へのもろもろの期待を寄せて、本日ご紹介いたしますのは、やっぱりお月様。
友禅染め名古屋帯「芒に月」
今朝のお花屋さんには芒がホホホッと生まれたての穂先を揺らしていました。お月見に欠かせない芒は、豊作の感謝のしるしでもあり、茎には神様が宿ると言われてきました。
この秋を清々しくお過ごし頂くために、手描き友禅のたっぷりとしたススキ野原にこの身を預けてみませんか?
月のきれいな秋でございます。月齢とともに美しい名前の付けられたお月様、十五夜・十三夜・十日夜、9月、10月、11月と、この先しばらくは美しい月夜を楽しむ秋でございます。
今日はお月様のお話が長くなり申し訳ございません。今夜は十五夜、そして明日は満月、どうぞもう少しだけお付き合い下さいませ。
和歌には月を詠んだ歌があまりにも多くて驚くほどですが、古の人々はどうしようもない想いを月に写し、夜空を仰いで心を寄せていたのですね。
ともすれば 月すむ空に あくがるる
心の果てを 知るよしもがな
「私の心は、ほっておくと月の住む空にさまよい出てしまう、この心の行きつく先を、知るすべがあれば良いのになぁ」。花と月の歌人西行さまは、いつもそんなどうしようもないことをつぶやいておられました。
月を詠んだ和歌には叶わぬ恋心をあらわした歌がとっても多くありまして💦何しろご存じのように、とかく恋は叶わぬものであるからですが、太陽がサンサンと降り注ぐ昼間は心のうちを隠せても、闇に包まれる夜にはその心のうちしか頼りにならず、すると否応なく思い知ってしまうのかもしれませんね、あ~切ない!って(-_-;)
なので、その切ない恋心は月夜にこそふさわしく、ただ月だけが私の気持ちを受け止めてくれるのです。しかし月が輝けば輝いたでそれはそれで哀しくて、またその月が見えぬ晩はそれはそれで悲しいのです。やれやれ(^^;)
てなわけですが、切ない気持ちを抱えて仰ぐ月はより一層美しく見え、何かしら不思議な魔法がかかりそうです。古の世から今の世に至っても、月ほど近くて神秘的な存在はないのでございます。
そんな月への気持ちをふわりと癒してくれるのは、やっぱりこのお着物でしょうか。白鷹お召。細やかな亀甲柄がどうしようもない心を月へといざない、そして柔らかで素朴な風合いが身も心も優しく包み込んでくれるでしょう。
※白鷹お召しのご説明は⇒こちら(袷・単衣どちらでもお召しになれます)
さて、今宵の関東地方は曇り空。もしかすると晴れ間が見えるかもしれません。皆さまのお住まいのところではいかがでしょうか?どうぞどちら様にも素敵な月夜でありますように。
なにごとも変りのみゆく世の中に
おなじ影にてすめる月かな(西行)
◆お店では秋の新作おひろめ展をいたしております。期間中は着物と帯のお仕立て代無料サービス!(オーダー染めやお取り寄せ品除く)で承ります。商品ページでご紹介の商品および店内でご案内中のお品全て対象です!消費税改定前のかけこみフェア~♪な感じで、どうぞ秋の装いあれこれ、お気軽にご相談下さいませ。
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