2019年9月7日
9月最初の一週間が過ぎました。やっと秋の入口から少し中へと入りましたね。でもまだ時々暑い、しかしもう少し進めば気持ちの良い空気や景色に包まれるはず、そんな期待が膨らむ頃でございます。
秋の新作おひろめ展
9/10(火)~おおよそ9/21(土)まで
お店には秋の新作が揃いました。
9月は特に催事を予定していないのですが、とはいえせっかくの新作たちでございます。ぜひお会い頂きたいな!と思いまして「おひろめ展」の期間とさせて頂きます(*^^*)
それに、消費税率改定間際でもございますので、なんと思い切って、着物と帯のお仕立て代無料サービス!(オーダー染めやお取り寄せ品除く)
いよいよ秋が優しく皆さまを包む、そんな季節を味わいに、ぜひお出かけ下さいませ。
本日はその中から、こちら!
友禅染め名古屋帯「御所解 垣根に菊流水」
御所解は、王朝文化を描いた模様と言われていますが、その世界観は源氏物語をはじめとする文学の世界だったりもいたします。帯という小さな空間に、サラサラと流れくる水が草木を育み、人の暮らしを思わせる垣根が立つ。
こうした世界観が私たちの心を癒してくれるのだと、もしかして遺伝子に書き込まれているのかな?と思うほど、御所解の模様が好きです。
こちらの帯に心惹かれた一番の理由は、紺藍色(ネイビーブルー)の華のある色合いです。
闇でもなく光輝く世界でもなく、紺色は不思議な色でフゥ~と心が鎮まります。
例えば、色んなモヤモヤから解放されて深く自分の心の中を見つめると、意外にもそこはこの上なく静かで研ぎ澄まされた世界だったりする、どこよりも正直な自分の心の中の色。
そこに花を咲かせるのなら、白い花。少しずつお花を増やし、心地よい水を流し、垣根を立てる。
垣根は外と内との境目で、古い歌には、垣根越しに語る恋の言葉が詠まれています。
もちろん恋ばかりではありませんね。
鹿の音を垣根にこめて聞くのみか
月も澄みけり秋の山里 (西行)
垣根越しに鳴く鹿の声ばかりでなく空には澄んだお月様、秋ですね。
垣根を越えた広い空や宇宙は、まるでネイビーブルーの心の中と同じ色のような気がします。なるほどつまり、私たちは宇宙の一部なのです。
そんな壮大な浪漫まで感じ入ることのできる、何とも素晴らしい作品だとシミジミ感慨深く見入っております(#^.^#)
※友禅染め名古屋帯「御所解 垣根に菊流水」商品ページ⇒こちら
秋の新作では、素敵な付下げや小紋も入荷しております。軽めの付下げにもコーディネート頂けるネイビーブルーな御所解です。
ただ今発売中の雑誌『きものサロン秋冬号』では、御所解好きなお客様の素敵な着姿がご紹介されています。ページの右下の画像の中に、当店でお求め頂いた墨茶色の御所解もご紹介頂きました。
取材の中では「模様の中からふるいにかけたものを、現代のセンスで表現したものが御所解では」とのお話をなさっていらっしゃいます。
なるほど、御所解の世界は文学や文芸からモチーフを描いていたりするわけで、文学、それはすなわち心の世界であり、だからこそその物語は、どれだけの時を経ても折々の時代の風に吹かれて描き続けられているのだな、そう思うともっと嬉しくなりました。
日曜日・月曜日は定休日を頂戴いたしますが、どうやら雨模様となりそうです。でも、雨が止んだらまた秋が進むのでしょうと思います。
そしたらぜひ、今年の秋に会いに遊びにいらっしゃいませんでしょうか?
お休み明け、またどうぞ元気にお目にかかれますのを楽しみにいたしております。
<営業時間>
火・水 午前11:00~午後6:00
木・金・土 午前11:00~午後7:00
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