2019年6月4日
お天気予報を見ましたら、今週末には関東も梅雨入りするのだそうで、いよいよ来ましたネ、季節が一コマ進みます。
今朝の通勤路ではまだ春の花が咲いていました。しかしいよいよ梅雨ともなると花たちも少し申し訳なさそうに照れ笑い。でもね焦らずゆっくり最後まで花を咲かせて下さいねと声をかけながら、とはいえ、気持ちはすでに梅雨入りで・・・ごめんなさい、勝手なことでございます(-_-;)
さて、本日は梅雨入り前の晴れ晴れとしたお天気に背中をおされて、透け感たっぷりの夏の装いをご案内してまいろうと思います。皆さま、今年の夏のご準備はいかがですか?
夏塩沢「蚊絣」×紗八寸帯「波濤」
夏と言えば、透け感!そしてシャリ感!です。
透ける素材は見る目にとても涼やかで、夏の織り物はいかに透け感を高めるかを競ってきたのではないかと思うほどです。
でも透けるということは、細い糸を粗く織るということで、とすると引っ張ったら割けてしまうのではないか?なんて不安になってしまいます。でもそれが日本の伝統産地の素晴らしいところ!粗く織っても強度を保つために、その細い糸には撚りをかけ、さらにその撚り糸を2本以上組み合わせて反対方向に撚るのです。それを駒撚り糸といい、こちらの夏塩沢はその駒撚り糸で織り上げられています。
その撚りがあることで、肌にベタっと引っ付かずにふわりと浮く、心地よいシャリ感を作り出すのです(*^^*)
なんだか・・・スゴイ(#^.^#)
でも透け透けでは?なんてご心配されるかもしれませんが、よぉ~く考えてみよう!
お召しの姿を前から見ると上前と下前は2枚重なり、後ろは居敷当をお付けします。お袖は長襦袢と密着いたしますし、すると本当にふわりと浮いて透ける部分は、帯の上、両胸の部分と背中です。
へへっ、夏の透けるお着物は、その辺りが浮いて透けるところが、とても涼やかで、そして色っぽいのです(*^^*) こんな濃い色なら、なおさら!
時々お客様のお話をお伺いしていると、黒っぽい着物を粋に着こなしたいです、でもどうしても私には似合わない・・・。可愛らしいパステル調のお似合いの方にはモノトーンなコーディネートがイマイチお似合いにならないということがございます。それで黒の着物は断念してるんです(-_-;)なんて残念なことに。。
しかし、こちらの夏塩沢は、黒地ですがスカイブルーの綺麗な色絣が織り込まれています。透け感とスカイブルーのおかげで華やぎのある小粋な装いをお楽しみ頂けます。パステルがお似合いの方にも憧れの粋姿をおつくりできて、きっとお似合いになるかと思います。
さらにこんな夏らしい帯をあわせて頂くともっと素敵に可愛いです。
紗八寸帯「波濤(はとう)」
こちらも透ける「紗」です。たて糸一本によこ糸2本、空間の多い夏の織り物です。こんなに透け透けなのにちゃんと柄が織りだされている、西陣の老舗「帯屋捨松」さんの夏の人気のシリーズです。だんだん織り手さんがいなくなり品薄となっておりますが、それでも少しずつ新作があることに感謝して、今年はこちらをご紹介しています。
何しろ八寸は帯芯が入りませんので、着崩れの心配もなく軽くて涼やかにお召し頂ける夏の帯です。
さて、夏の透け感たっぷりのお着物のことを「薄物(うすもの)」と言います。
6月も中旬以降になりますとお着物姿は薄物コーディネートへと衣替えの頃となりますが、薄物の季節には袷の季節とはひと違います。
何と申せばよいか、、例えば鎧を脱いだ戦士のように、温もりや切なさや喜びや、心の鼓動が伝わってくるような気がするのです。
そして毎年、恋多き女流作家のこんな句を思い浮かべてしまいます(^^;
うすものや 人悲します 恋をして(真砂女)
未熟ながらも、おそらく恋とはどうしようもないものかと想いを馳せると、セピア色に固まった思い出さえも美しく呼び覚ます、夏っていうのは情感あふれる魔法の季節なのでございますね。
そして、そんな心や体からふわりと浮いて今年の風を通してあげて、軽い帯をギュギュっと締めると・・・
夏帯に泣かぬ女となりて老ゆ(真砂女)
え~っ?ちょっと待て!ならば私は泣き上戸、涙があふれる間はまだまだそんな、老いるだなんて、わかってはいるけどしばし待たれよ。せめて、もうしばらくの夏は、ひたすら泣き虫でいたいものでございます💦
ということで、おまけです。
どうぞ皆さま、夏ならではの素敵な体験をして下さいますように!例えばこんな愛らしいコーディネートなら、泣いても笑ってもきっと許される、楽しい夏のはじまりはじまり(*^^)v
暇にまかせてブログが長くなりがちになっており、申し訳ございません(^^;) 週末からは雨が続くようでございますので、衣更えの洗い物や夏のご準備色々、どうぞ晴れ間のうちにお出かけなさいませんか?
今週も元気にお店番をいたします。お会いできますのを楽しみにお待ちしております。
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