2019年4月4日
やっと暖かいお花見日和となりました。そろそろ花びらが風に舞うのかと思うと、桜のそばにいて手を握ってあげなくてもよいのか?いや手はないわけだから、例えば幹を撫ぜてあげなくても良いのかとソワソワするわけですが・・・あれ?いや違いました。考えてみれば桜は花を散らして終わるわけではなく、これからこそ若葉を育てるという素敵な季節が始まるのでした。
それでも短い花の時期をちゃんと見守ってあげたい、なのだから、GWならぬ桜ウィークなんてのがあったらよいのにネ。なんて、どーでも良いお話です(^^;
さて本日は、その若葉の季節にも、鮮やかでワクワクする江戸小紋をご紹介しようと思います。こちらも新作、染め上がったばかりの作品です。
廣瀬雄一作江戸小紋「葵」
「葵」の柄を染めて頂こうかな、どんな色がいいかなぁ~とご相談していた時、廣瀬さんが「ぼく青が好きなんです」と笑顔をキラキラさせておっしゃいました。そのキラキラが眩しくて(^^;)では廣瀬ブルーで染めて下さい!とお願いしてしまいました。そして仕上がったのがこちらなのです。
うわぁ~なんて鮮やか✨でもよく見ると派手な色ではありません。江戸小紋というと渋みのある色というイメージがありますが、昨今は当店の「おあつらえ江戸小紋」でも、オレンジやターコイズなどの明るいお色のご注文も増えています。でも不思議なことに江戸小紋は派手すぎる染め上がりにはならないもので、それはきっと無地とは違う緻密な柄行のせいもあるのかな。
こちらの廣瀬ブルーは2色染めです。マドンナブルーとセルリアンブルー。左のお色がマドンナで右のお色がセルリアンです。マドンナでしごき染めをした後にセルリアンブルーを上からかけると、こんなに素敵な作品になるのですね。
聖母マリアにささげた色「マドンナブルー」。「セルリアンブルー」のセルリアンとは天国・空という意味です。なんだかとても崇高なイメージの青ですが、鮮やかさと同時に落ち着いた美しさを感じさせてくれる色です。
2色で染める作品は、この一回限りのお色です。何度染めても同じ印象の色合いに仕上がるなんてことは難しく、まさにこれだけ。そう思うとますます素敵な仕上がりに魅せられてしまいます。
「葵」の文様は古くから親しまれる文様です。葵はどうして「あおい」というのかと申しますと、葵の葉っぱは太陽を向いて成長するのだそうです。だから「仰ぐ日」⇒「仰日(あふひ)」⇒「あおい」と呼ばれるようなったのだとか。お日様に向かってイキイキと成長するとても縁起の良い文様です。
また、縁起もさることながら、葵はハートの形も愛らしくて、いつ見てもキュンといたします。
※江戸小紋「葵」商品ページ⇒こちら(お値段の表示ができなくてすみません。どうぞお気軽にお尋ね下さいませ)
コーディネートはモダンに仕上げてみました!あわせた帯は、手織りの名古屋帯「ペルシャ横段文」です。
この帯は、様々な種類の糸を用いて織り上げるという、手織りでないと織ることのできない帯。白でありながら銀でもあり、光の加減ではゴールドにも見えるという、画像ではその魅力をお伝えするのが大変に難しく、お店でご覧下さったお客様にも、実物は何十倍も素敵!とお褒めのお言葉を頂ける一点ものの帯でございます。
ブルーと輝く白とのコントラストは大変に美しく、そしてモダンな印象を感じさせてくれる、新しい和装の世界の広がるコーディネートになりました。単衣でも袷でも(^_-)-☆
※実物の方が絶対に素敵ですが、とはいえ、手織り名古屋帯「ペルシャ段文」商品ページ⇒こちら
いよいよお出かけのしやすい暖かい春がやってまいりました。どうぞぜひお花見やお散歩がてら、素敵な実物に会いにいらっしゃいませんか?ぜひご一緒に春のコーディネートを楽しんで頂けましたら嬉しいです。
ところで、ご近所の桜、昨日の帰り道に夜桜も楽しませて頂きました。この教会はセントグレース大聖堂という結婚式場でもあり、夜間はライトアップされています。その光をもらって幻想的な桜景色を眺めることができます。
明日からはいよいよ風に吹かれて花びらを散らし、ますます美しく散り行く桜。あともう少しだけ、年に一度の逢瀬を楽しませて頂けますように。
週末にかけて夜も暖かくなるようですので、今年の桜の見納めに、どうぞ素敵な時間をお過ごし下さいませ。
お問い合わせはこちら