2018年2月16日
大島紬は、世界で最も美しいとさえも言われる精緻な絣模様が何しろ大変に魅力的な織物です。絣模様は、絣糸をタテヨコ交差させて作られるものですが、その交差点の作り方によって、「一元(ひともと)式」と呼ばれるものと「片ス(カタス)式」と呼ばれるもの、2種類があります。また、絣の細かさは「マルキ」であらわしています。
本日は、絣の形と細かさについて、サクッとご説明申し上げます。
~一元・片スのこと~
「一元(ひともと)式」とは、タテ糸2本、ヨコ糸2本を交差させて、風車のような井型の絣模様をつくる織り方のことを言います。本来の大島紬はこの「一元式」で織られてきましたが、現在では大変に希少なものとなりました。なんだか愛おしくなるような可愛い風車です。
一方「片ス(かたす)式」とは、タテ糸一本、ヨコ糸2本で、Tの字のような絣をつくります。タテの絣糸が一本だけなので方数(カタス)といわれたのが由来です。現在はほとんどが片ス絣です。でもこれはこれで、可愛いです。
片ス式は一元式よりも織り手の負担が少ないため、技術者の高齢化に伴い、昨今では片ス絣の大島紬が大半を占めるようになりました。現在では一元(ひともと)で絣をつくることのできる織物は大島紬ぐらいではないかともいわれています。
~マルキのこと~
マルキとは、絣の細かさを表しています。もう少し詳しく申しますと、タテ糸にどれだけの絣糸が入っているかという単位のことです。数字が大きくなるほどその割合は多くなり、9マルキ一元では66%(地糸1本絣糸2本)、7マルキ一元では50%(地糸2本絣糸2本)、5マルキ一元(地糸3本絣糸2本)では40%の絣糸が入っています。だから、5マルキよりも7マルキ、さらには9マルキの方が絣糸が多く入っていて、より精緻な絣模様が織り出されているということです。
当店では、不定期でございますが、店内にて「本場大島紬展」を随時開催しております。そんな機会にはどうぞぜひ、精緻な絣柄やしなやかな本場大島の風合いに触れて下さり、ぜひそれらの違いをお確かめ下さいましたらと思います。
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