2023年10月27日
表参道のケヤキ並木が色づき始めています。
今年の年はじめに冬枯れのケヤキ並木を見つめて、葉っぱが芽吹き暑い深緑の頃を超えて色づき始めたら、お店は最後を迎えるのだろうと思っていました。それはまだ先のこと、そんな気持ちでおりましたが、もうケヤキはこんなに・・・🍂
お店では、感謝祭り終了後も、毎日、お別れにいらして下さる方をお迎えしております。長くお付き合い下さるお客様はもちろん、近年足を運んで下さるお客様にも、お取引様にも、職人さんにも、お声をお聞きする全ての皆さまに「寂しい」と言って頂いており、ここへきて、私も、もう、何をしていても寂しくて胸が詰まりそうで仕方がありません。
昨日は、神宮前にお店があった時代から仲良くお出かけ下さっていたお客様が連れ立っていらしてくださいました。「染一会はわたしの青春そのものだったわ!」なんておっしゃって下さり…振り返れば40代~50代にかけての時間を、お着物という楽しみに包まれて過ごして下さいました。そのかたわらに当店が寄り添わせて頂いたこと、それはもう感無量です。
準備期間を入れると、およそ17年という日々を私は、寝ても覚めても「染一会」の店主として暮らしてまいりました。独りぼっちの辛く険しい旅だと思い続けてまいりましたが、閉店が近づくに連れて訪ねて下さるたくさんのお客様のお言葉をお聞きすると、独りぼっちではなかったのだ!お客様に寄り添う、と申しながら実際は、お客様が当店に寄り添って下さったのだと気づきました。少しずつ成長するお店とともに幾度もの春夏秋冬を伴にして頂けたことを想うと、もう、あふれる涙を留めることができません💧。
こんな幸せな終わり方をさせて頂いて良いのだろうか、おそらく、長い人生の中で、これほどの幸せを感じたことはないかもしれません。相変わらず大げさだ!と言われそうですが、もうこの上望むことなどありはしない、最高のフィナーレを迎えさせて頂いていますことに、身も心も、ありったけの全てを込めて、深く深く感謝申し上げます。
この1-2週間は、最後だからと、当店でお誂え下さったお着物や帯をお召しになっていらして下さる方も増えました。もう拝見することはできないのか、と思うと、どうしても後ろ姿だけでも記念に留めさせて頂きたくて、撮影させて頂きました。お着物や帯を拝見すると、お誂え下さった当時が瞬時に思い出されて、また涙があふれてきそうです。
◇京都で江戸小紋を染めている「大野信幸」先生の寄せ小紋訪問着に、東京友禅作家「佐藤洋宜」先生の染め帯富士山。
◇益田勇吉氏の「白恵泥絵羽柄大島紬」にお客様オリジナルオーダーで“マイファミリー”をデザインされた染め帯は東京友禅「染谷洋」先生の作品。
◇紬展でお気に召して下さった「下井紬」に東京友禅「染谷洋」先生の染め帯「宝結び」
◇レモンカラーのお客様オリジナルおあつらえ江戸小紋「極鮫」文様に、東京友禅「岩間奨」先生の染め帯「ハロウィン」
◇お色目をとっても気に入って下さった絞りの小紋「色紙ちらし」に、織楽浅野名古屋帯「悠久」
本当はもっとたくさんの皆さまのお写真を記念におさめさせて頂きたかったのに、感謝祭りからはご来店が立て込んでしまい、とても残念に思います💧これまで、お求め下さいました全てのお客様のお控え台帳は一生大事な宝物として抱きしめてまいりたいと思います。
「おあつらえ写真集」にご協力くださいました皆さまには、このサイトが消える(年末)前に、どうぞ画像のダウンロードなどをなさってくださいませ。
お店の営業は残すところ、
10/28(土)
10/31(火)
の2日間となりました
私の涙とは裏腹に、お天気は最後まで晴れ晴れとしていてくれそうです。
閉店後もメールやメッセージの送受信は引き続き可能でありますが、28日(土)31(火)、もしお近くにお越しの際は、ぜひ最後のご挨拶をさせて下さい。
そうそう、今宵は十三夜のお月様🌔です。ご遠方にお住まいの皆さまも、どうぞ同じ月を、チラリと見上げて下さいませ。
きっと夜空が晴れますように✨
*営業時間*
閉店日:10月31日
午前11時~午後6時
(定休日:日曜日・月曜日)
お問い合わせはこちら