2023年6月2日
6/8(木)~6/17(土)夏の装い展!!
夏の友禅/付下げ・小紋・帯
夏の織物/麻・うすもの
大雨が通り過ぎ晴れ間が戻ってまいりました。週末は気温が上がりそうです。いよいよ蒸し蒸しとした季節がはじまりますね。
さて、蒸し暑さに立ち向かう夏に向けて、本日は「越後上布」のお話をさせて頂こうと思います。
越後上布は、シュワシュワとしたちぢみ織物と違い、さらりとした平織りの麻きものです。平織りの麻着物の特徴は、軽やかでスレンダーな美しさ、ひんやりとした滑らかな心地よさでありますが、中でも越後上布は、日本を代表する上布として1200年を超える歴史を誇る織物です。
その名を広く知られた「越後上布」、現在ちまたには、①重要無形文化財指定の越後上布、②古代越後上布、そして一般的に③越後上布と呼ばれるもの、大まかに3タイプの越後上布がございます。
ただ今店内でご案内中のものは、こちらの2点です。
左)古代越後上布/右)越後上布
伝統的な越後上布は、タテヨコ糸に手積みの苧麻(ちょま/からむし)糸を使用し、手で一つ一つ絣を括りイザリ機で(一反につきおよそ一年以上の期間をかけて)織り上げるもので、現在その技術は①重要無形文化財に指定されています。当店ではご紹介することはできませんが、それはそれは、目が飛び出るほど高価で、希少な夏の最高級麻着物です。
※手積みの苧麻糸の魅力…苧麻の繊維を熟練の人の手により、極限まで細く割いてつないで作る手積みの糸は、均一な細さでないがゆえの、織り上がった時に気持ち良く風を通す軽やかさ、尖ったところのない肌馴染みの滑らかさ、その極上の触感は機械紡績では味わうことのできないものであります。
しかしながら、大変に希少で高額過ぎることから、タテ糸を強度のある機械紡績のラミー糸に置き換えることで、高機にかけることができるように工夫し効率化したものが②古代越後上布と呼ばれるものです。
古代越後上布「市松絣」
とはいえ、それでもヨコ糸は「手積みの苧麻」です。そのため、タテヨコともに紡績ラミーを用いた一般的な「越後上布」に比べると、肌馴染みの優しさが身に沁みます。
そして、越後上布のプライドを落とすことなく、愛らしい絣柄を織り込むことで、年代を問わない優しい風合いに仕上がっています。
決して安価なものではありませんが、納得のゆく夏の上布をお探しでしたら、きっとご満足いただけて、これからやってくるどの夏もが楽しみで仕方なくなるお着物です。
(お値段はどうぞお問合せ下さい)
越後上布「十絣」
こちらは現在多く流通している、タテヨコともに紡績のラミー糸を用いた③越後上布です。
夏の普段着でありカジュアル着物である「小千谷ちぢみ」は、越後上布と同じ産地で制作される、越後上布のちぢみバージョンと言えると思います。お求めやすい価格帯の小千谷ちぢみが自動織機で大量生産されるのに対して、平織の越後上布は大量生産になじみません。そのために、小千谷ちぢみに比べると流通量は大変に少なくなりますが、紡績ラミー糸を用いているとはいえ、絣作りや製織は従来の手法のままです。
ラミー糸ならではのシャキリとした頼もしい触感と、夜空に輝くお星さまのような絣柄、濃いめの納戸色の透け感の気持ちの良さ、平織の越後上布の風合いを十分にお楽しみ頂けます。
※越後上布「十絣」詳細ページ➨https://someichie.com/item/27637.html
どちらも、帯のコーディネートは多彩にお楽しみ頂けます。夏の透ける八寸帯や染め・織りの名古屋帯など、絹地の絽や紗はもちろん、麻の帯も似合います。
ただ今ご案内中の「大麻型絵帯(ススキに蜻蛉)」をあわせてみました。どちらにも似合います。情緒のある日本の夏を、心地よくお過ごし頂ける麻コーデでございます。
※大麻型絵名古屋帯「ススキに蜻蛉」詳細➨https://someichie.com/item/28007.html
雨が上がってホッと致しますが、お家の周りのお片付けやお掃除や、どうぞお気をつけてお過ごしください。来週は気温があがるようです。夏のこと身近になってまいりますね!
お休み明けからは「夏の装い展」のご案内を始めますので、またどうぞお気楽にお付き合い下さいませ。
6/8(木)~6/17(土)夏の装い展!!
夏の友禅/付下げ・小紋・帯
夏の織物/麻・うすもの
日曜日・月曜日は定休日を頂戴いたします。どうぞよろしくお願いいたします。
*営業時間*
午前11時~午後6時
(定休日:日曜日・月曜日)
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