2023年4月15日
4/14(金)~22(土)
《西陣の帯と着物展》
*織楽浅野の帯&初お披露目の着物*
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*帯屋捨松の帯*
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*北村武資遺作*
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*京都貴久樹の総柄小紋*
~期間中対象商品お仕立て代サービス~
さて今回は当店最後の「織楽浅野展」に際し、まだ公には未公開という、織楽浅野さんが作った「着尺」をお預かりすることができました。
織楽さんの着物だなんて、ワクワクしながら待っておりました。そして、なるほど~な素敵なお品が届きました!ちょっと意外だったのは、お召のような織の着物だと思いきや、実は「染め」の着物!!
どれも、デザイン制作、型紙づくりから始まり、一枚の着尺を完成させるために、何枚もの型紙による型染めと引き染めを繰り返して作り上げられたとのこと。何しろ、手をかけて、手をかけて、いかにミニマルな美学を描き出すか、こだわりぬいて作り上げられた着物です。
素材は、程よいハリとしなりの良い絹地で、袷仕立てでも単衣仕立てでも、スレンダーな着姿が引き立ちます。
早速コーディネートをしてみましたので、どうぞご覧になってみてください。
※画像ではどうしても、繊細な染めの美しさ、作品の表情や奥行き感が伝わらなくて、とても残念です。期間中、どうかぜひ実物をご覧くださいましたら嬉しいです。
着尺の名前がまだついていません。私が勝手にネーミングしてはなりませんので、お問合せの際は番号でお申しつけください。
着尺(1)×名古屋帯「麗花文」
時雨や春雨のようなイメージを抽象的なドット柄で表しています。色を変えて複合的に型紙を重ね染めし、引染めを施すことで、豊かで奥行きのある表情に染め上がっています。地紋も引き立つ染め上がりに、ほんのりとした心地よさを感じます。
名古屋帯「麗花文」(お太鼓柄)
ヴェネツィアのレース模様をモチーフにしたデザインです。密度の高い織り組織で繊細なレース模様を織り上げています。部分的にくくりの糸合わせの本数を増やして、お花の輪郭を際立たせて小花にボリュームを持たせています。デザイン性の豊かさと、単色のすっきりとした美しさが際立ちます。
着尺(2)×名古屋帯「シャイブール」
古書店で出会った古い型紙に魅せられて、その型紙デザインを新たに彫りなおしてリメイクした文様だそうです。浮きあがるような地紋の生地に染めることで、奥行きと表情を醸し出しています。地染め+型染+引染めの合わせ技で染め上げています。
名古屋帯「シャイブール」(お太鼓柄)
インドのミュージアムに所蔵されているタペストリーに描かれた生命の樹をモチーフにしています。タテ糸に絹糸、ヨコ糸に真綿紬と銀糸を合わせ、紬のザックリ感を残しつつ、薄手で軽やかに仕上げられています。グレージュの色合いも素敵です。
着尺(3)×名古屋帯「幾何市松」
織楽さんの帯のデザインをモチーフにした文様で、矢かすり模様の変形です。ダイヤモンドのような煌く菱模様の生地と相まって、モダンでとても美しい奥行きのある表情が素敵です。やや光沢感のある素材が引き立てられて、清々しい印象も素敵です。
名古屋帯「幾何市松」(六通柄)
八種類の幾何学模様をモチーフに市松文様に組み合わせた名古屋帯です。タテ糸に絹糸、ヨコ糸に真綿紬と漆糸をあわせ紬の持つザックリとした質感を残しながらも薄手で軽やかに織り上げた帯。黒とグレー、そして黒地の中のかすれたデザイン模様に奥行きを感じます
着尺(4)×名古屋帯「デジタルフラワー」
着尺(3)の色違いです。淡いウォーターグリーンの色合いが、菱地紋の光沢のある生地に染まると、より瑞々しく透明感のある美しさが素敵です。
名古屋帯「デジタルフラワー」(お太鼓柄)
細かい更紗文様を拡大した際にピクセルの集合体のようなデジタルでエッジの効いた表情に面白さを感じてデザインされたのだそうです。タテ糸に絹糸、ヨコ糸に真綿紬と銀糸を合わせ、紬のザックリ感を残しつつ、薄手で軽やかに仕上げられています。
着尺(5)×名古屋帯「画線」
フランスの印象派の画家クロード・モネの「柳」の枝をイメージしてデザインしたもので、数枚の型紙を重ねて染めて、ゆらぐような情景を描いています。微妙に異なる色調が奥行きのある表情を醸し出しています。複合的な型紙を重ねた傑作です。
名古屋帯「画線」(六通柄)
約40年ほど前に生まれた、織楽さんのミニマルなものづくりのルーツともなったデザインです。タテ方向にかすれる赤線を表現するために、数本だけ赤いタテ糸を整経し、無地場に墨の濃淡と細やかな砂子組織を使用して市松に表情を与えています。織楽さんの原点ともいえる織りの妙とデザイン性の高さは、ここにあります。
着尺(6)×名古屋帯「コプト文」
職楽さんの帯のデザインをモチーフにした文様です。生地の地紋もデザインを引き立ててくれています。地色を引いて、その上から3種の型染めを重ね、さらに引き染めを施すことで完成させた表情豊かな仕上がりです。
名古屋帯「コプト文」(お太鼓柄)
古代エジプトのキリスト教徒コプト民族によって盛んに行われていた綴れ織りの文様をモチーフに、コプト裂特有の表情を醸し出したデザインです。地色はマットな色ではなく、アイボリーに薄グレーを織り交ぜたニュアンスのある色合いで、表情のある布地をイメージしています。
着尺(7)×名古屋帯「MALU」
古書店で探し求めた古い型紙をリメイクしてデザインされた文様です。古さとモダンさを併せ持つ、ユニークな型紙文様を用いて、地染め→型染→引染で染め上げられています。地紋が浮かび上がる生地を用いて、染めとのコラボレーションも見事です。
名古屋帯「MALU」(お太鼓柄)
絹糸に光沢のあるフィルムを巻き付けたオリジナルの糸を組み合わせ織り上げた名古屋帯です。シンプルなデザインですが、丸はふくれ織りで表現されて、地紋は真綿紬と漆糸を合わせ、紬の持つざっくりとした質感を残しながら、薄手で軽やかに織り上げられています。
着尺(8)名古屋帯「聖なる樹」(お太鼓柄)
職楽さんの帯「ノイズ」のデザインをモチーフにしています。地紋ももちろん、デザインにふさわしいものが選ばれており、地色+3種の型染+引染と、何度も何度も手をかけることで無地に近づける、という、この素晴らしい染め上がりをぜひお手元でご覧頂きたい作品です。
名古屋帯「聖なる樹」
自然と対話し生きる力を与えてくれる「聖なる樹」を幻想的にデザインされています。両端に織りの変化のあるデザインで、絵画作品のような完成度の高さが魅力的です。さらりとした素材感も心地よいです。
いかがでしょうか?
なかなか画像では、表情や奥行きをお見せすることができなくて、とても残念な作品たち。
今日は一日雨に濡れた土曜日でしたが、来週の土曜日までずっと開催いたします。晴れ晴れとしたお出かけ日和の日に、ぜひ実物に会いにいらっしゃいませんか?
もちろん、お問合せもご遠慮なくお待ちしております。
日曜日・月曜日は定休日を頂戴いたします。お休み明けにまた元気にお会いできますように(*^^*)
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