2023年2月18日
2/23(祝・木)まで
大島&琉球織物コーディネート展
開催中
本場大島紬(白大島・泥大島・色大島)
琉球織物(琉球絣・花織着尺・久米島紬など)
花織の帯、琉球紅型の帯
今週は連日、本場大島紬や琉球織物の帯たちをご紹介してまいりましたが、いかがでしょうか?ブログでは、まだ「読谷山花織」「琉球絣」の着尺のご紹介ができていないのですが・・・週明けにはお届けするとして(^^;)、本日はコーディネートに使用しております帯を、ズラリと並べてみました。(ずぅ~と下までスクロールしてくださいね)
花織や紅型の帯たち。南の島からの魅惑の作品たちでございます。コーディネートを少しだけエキゾチックに仕上げてくれる、沖縄ならではの技術とセンスを織り込んだ帯です。
花織の花は多色の糸を用いた大変手が込んだ仕事です。地域ごとに浮かせる糸の技法が異なったりいたします。また、紅型は鮮明な色を実現させるため顔料を用いて、繊細な色差しを行う沖縄ならではの仕事です。どれも年々希少となってきております。どうぞご覧になって下さり、気になるお品がございましたら、お気軽にお訪ね下さいませ。(お値段はご遠慮なくお問合せ下さいませ)
**花織の帯たち**
糸を浮かせたり飛ばしたりして、小さな点ををお花のように美しく集めて作る「花織」は沖縄の伝統的な織物です。琉球王朝の華やかなりし14-5世紀ごろに南方貿易により伝えられ沖縄の各地で織られるようになりました。
地域によってそれぞれの特徴を持つ花織ですが、戦争によって壊滅的となってしまいました。しかしその後、各地で復興の取り組みがなされ現在によみがえっています。小さな点々が描く花のように可憐な世界、浮き糸の艶めく光沢は、花織ならではのものです。
~首里~
首里は、首里王朝の城下町として栄えた場所であり、王族貴族の衣装を手掛けてきました。そのため、他地域に比べて大変に洗練された上品さと沖縄らしい配色が魅力です。
《首里花織織八寸帯》
(黒地に花)
八寸のほっこり感を味わいつつ、すっきりとした両面浮織を部分的に用いています。色彩の妙を織り出したエキゾチックな帯です。
《首里花織八寸帯》
(黄地に花)
こちらも、部分的に両面浮織を施して、首里ならではの鮮やかな色彩を楽しめる作品です。
《首里花織名古屋帯》
両面浮織のさらりとした織り上がりです。裏には糸が通りませんので、すっきりとした締め心地の良さと、緻密な花織の美しさを楽しめます。シャリンバイや茜などの植物染料で染めた糸を織り上げています。
《首里ロートン織名古屋帯(祝嶺恭子)》
ロートン織は、部分的に糸の密度を濃くして織られており、表も裏も両面使いができるほど、精緻な浮き織が特徴です。ロートン織は貴族の衣装として首里のみでしか織られていませんでした。首里織の復興に尽力された「祝嶺恭子」さんの作品です。
~南風原(はえばる)花織~
南風原町では、独特の絣デザインを生み出した「琉球絣」や、両面浮織の「花織」着尺なども有名ですが、帯も多彩に作られています。まるで刺繍のような可愛らしい花織は大変魅力的で、またモダンな色デザインも楽しめます。
《南風原花織八寸帯》
(白地に花)
ほっこりとした八寸帯ですが、モダンな配色と可愛らしさが魅力です。
(ブルーに花)
清々しい空色が美しい八寸帯です。やっぱり小さな点が並ぶ花織のデザインはとても可愛らしいです。
《南風原花織名古屋帯》
(紺地に花)
モダンな配色に、精緻な花織、そして花織の間に琉球絣のチミヌカータという模様が織り込まれています。南風原らしいデザインの美しさが映える織物。こちらの工房は花織着尺も手掛けられています。➨こちらの記事でご紹介中(クリックしてご覧ください)
~読谷山花織~
読谷山の花織は家族の幸せを願う織物でありました。その花織は、夜空の星々にたとえられたりするほど大変に可憐で、着尺には、お花の基本形が織り出されていて、それぞれに心を込めた願いが込められています。一時は「幻の花織」と言われるほど衰退してしまいましたが、人々の愛と情熱が復興へと導いて今日に蘇っています。草木染めの糸を用いていることも特徴です。
《読谷山花織》
(墨紺紫色に花)
紫味を帯びた墨紺色が素敵です。ほっこりとした真綿紬地の名古屋帯です。
《読谷山花織》
(ピンクベージュに花)
こちらも真綿紬地にほっこり系の名古屋帯です。花織で本当にお花を描いた、ハラハラと舞う感じがとても愛らしいです。
~知花花織~
知花花織のルーツは、地域のお祭りの衣装だったそうです。土地に住まう人々が祈りをさせゲル衣装が作品として伝承されています。経糸浮織という技法が特徴で、浮き糸の艶感と美しさも魅力です。
《知花花織名古屋帯》
(オリーブ色)
シックなオリーブ色に、白銀の花織が煌くように浮かび上がります。すらりとした佇まいが仕上がりそうです。
《知花花織》
(ベージュ地)
派手さはありませんが、アイボリーに紫色の花々が散りばめられたデザインが大変に清々しくてモダンで、そして可愛いです。すっと締められる重宝な帯。
~工房作品~
首里織の工房で修行されて京都にて工房を構えた作家さんの作品です。鮮やかで優しい黄緑の色合いと、可憐な花織がとても愛らしい作品です。ぐんま200の絹糸を用いたすっきりとした帯です。帯地の地染めはマットな染ではなく、シケ染めのような風合いがあって、それまた素敵です。
《工房あき福花織名古屋帯》
**琉球紅型**
琉球紅型は沖縄で唯一の染色技法として、数百年という長い歴史に培われ、王朝文化として洗練され、大自然をモチーフに、数々の作品を生み出してきました。「紅」は色んな色という意味で「型」は模様をあらわします。紅型らしい鮮やかな色彩は、南国の眩しい日差しを思わせます。カラフルでありつつ、それでいてまとまりを持った作品としての美しさも魅力的で、お着物好きならば、ぜひお気に入りの紅型を見つけたいと思われる方も多くいらっしゃることと思います。紬などの織の着物には大変に良く似合います。
《琉球紅型名古屋帯(城間栄順)》
(海ものがたり)
城間家は三宗家の一つで、栄順氏は16代。豊かな自然の優しさと厳しさ、南国のおおらかさと職人気質を生かした作品がたくさんのファンを魅了し続けています。海の世界の物語(*^^*)
《琉球藍型名古屋帯(城間栄順)》
(亀甲どり藍型)
こちらは藍の濃淡で染め上げた作品です。亀甲の中に描かれた風物に思いをはせると、果てしなく世界が広がりそうです。
《琉球紅型名古屋帯(津田かすみ)》
(サクラランとモンステラ)
お花の香りが届きそうな鮮やかなデザインが心地よいです。紅型の色彩ならではのインパクトがありつつ、どことなくしっとりと甘い世界観も美しい帯です。
《琉球紅型名古屋帯(津田かすみ)》
(ブーゲンビリアに蝶)
お花と蝶々が対話する、秘密の花園のような帯です。ちょっぴりシックなグリーン系の色彩も、鮮やかなブーゲンビリアを心地よく受け止めてくれています。
《琉球藍型(玉那覇有公)》
夏ひとえ名古屋帯「芭蕉」
紅型の重要無形文化財(人間国宝)に認定された「玉那覇有公」氏の作品です。
夏大島の素材に、芭蕉を染めたお太鼓柄の帯。くるんとまとまった芭蕉は細部まで繊細に描かれていて、透け感のある夏素材との相性もばっちりです。
~竹富ミンサー~
八重山ミンサー織物発祥の地「竹富島」にて、天然染料を用いて手織りで制作された八寸帯です。五つと四つの絣模様は「いつ(五つ)の世(四つ)までも末永く」という思いが込められています。しっかりとハリのある帯で、鮮やかな海と空の色のグラデーションも大変素敵です。モダンな伝統工芸をカジュアルシーンに取り入れてみませんか?
※お値段など、お問合せはご遠慮なくお申しつけ下さい。
ということで、日曜日・月曜日は定休日を頂戴いたしますが、気になる作品がございましたら、どうぞお問合せ下さいませ。
週末は随分と気温が上がるようです。どちら様も、寒暖差にお気をつけ下さり、早春の季節をお楽しみくださいますように。
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