龍郷・秋名バラ・西郷柄、伝統柄の大島紬龍郷・秋名バラ・西郷柄、伝統柄の大島紬

2022年2月10日

龍郷・秋名バラ・西郷柄、伝統柄の大島紬

*2月末まで『本場大島紬展』開催します*

シュシュと絹ずれの音が心地よく、雨に強くて丈夫で、シワにもなりにくい。普段のお出かけにはとにかく着回し抜群の大島紬。ち密で繊細な伝統技術を伝え続けて、今に生きる、本場大島ならではの美しさと心地よさをご紹介してまいります。

※日々のブログでは、期間中ご紹介いたしますお品をコツコツと掲載してまいります。どうぞ毎日のブログをお訪ね下さいましたら嬉しいです❣

※お値段その他何なりと、ご遠慮なくお問合せ下さいませ。

本日は「伝統柄」の本場大島紬のご紹介です!

まずは、大島紬を代表する伝統的な柄からご案内をさせて頂こうと思います。これらの柄には「マルキ」という数え方は当てはまりませんが、そのち密で美しい独自のデザインは、はるか昔より伝わり、現代へと引き継がれています。

~龍郷柄~

「龍郷(たつごう)柄」は、奄美大島の自然の恵み、ソテツの葉とハブの背のウロコ模様を意匠化したもので、その名前は大島紬の一大産地である奄美大島の龍郷町に由来しています。

他産地にはない独特のデザインで、センスの良い華やぎを感じます。奄美ならではの唯一無二の文様で、かつては嫁ぐ娘にに持たせたといわれています。

龍郷柄(泥染め)

深みのある泥染めで、繊細な龍郷柄を織り上げた作品です。大島紬だけの唯一無二、古くからの伝統柄でありながら、どことなくモダンで現代の美意識にも通ずるデザインが素敵だと思います。

龍郷柄(白大島)一元絣

こちらは「一元絣」の龍郷柄です。一元絣はタテ糸2本、ヨコ糸2本を交差させて、風車のような井型の絣模様をつくる織り方のことで、現在では大変に希少なものとなっています。

でもそのおかげで、繊細な文様が大変に美しく、くっきりと鮮やかな存在感のある絣模様です。こんな一元絣の作品は、今後はさらに入手が難しくなりそうです。

幾何学模様はお洒落で現代的、どことなく可愛らしさも感じます。白大島の龍郷柄は「白龍郷」とも呼ばれています。

大島を代表する伝統柄を、大島ならではの高度な絣技術である「一元絣」で織り上げた、希少な作品です。

単なる蚊絣などの十字と異なり、タテ糸2本の絣糸が使われているところがミソです。

龍郷柄(藍泥染め)

龍郷柄と申しても、色々とアレンジがなされています。こちらは藍と泥で染めた、華やぎのある龍郷柄です。ハブの背模様なんて聞くと、ちょっと背筋が冷たくなりそうですが、いえいえ、こんなに愛らしい龍郷柄もございます。

秋名(あきな)バラ柄

「秋名(あきな)バラ」は龍郷町の秋名地区にて生まれた柄です。「バラ」は琉球語でザルを意味し、竹で編んだ「サンバラ」というザルがモチーフになっています。身近な日常の道具をこれほど斬新なデザインに仕上がるなんて、いやもう、その飛躍した創造力、思い切ったデザイン性の高さに感動いたします。

シャリンバイや泥で染めて、お色的には落ち着いた雰囲気ですが、近づくと交わりの部分の十字が味わい深い華やかさをかもし出します。

このモダンな華やぎ!街着としても、他にない個性が目をひきます。

白大島の秋名バラもございます。

西郷柄(広巾)

「西郷絣(西郷柄)」とは、奄美に流刑されていた折から、奄美の人々と心を通わせ、島のために力を尽くした西郷隆盛さんをリスペクトし、その名を冠した絣柄です。格子の柄の中にさらに絣柄を入れるというち密さ。奄美の地が育んだ英雄の名に恥じぬ素晴らしい絣柄です。

こちらの作品は、ターコイズブルーの蚊絣が美しいアクセントになっています。西郷絣にも様々なデザインがありますが、このち密な織は熟練の最高級の職人さんにしかできないものであり、本場大島ならではの美しさが目にしみます。

サベ絣入り白大島「小花流れ」

サベ絣とは、絣と絣の間に、通常はないもう一つの絣を織り込んだ技法です。濃いお色のお花部分の濃度が濃く見えるのは、そのためです。伝統的技法ですが、高度な柄ゆえに作品としても数が多くはありませんが、デザイン性の高さには目を見張ります。お花に包まれるような愛らしい心豊かな逸品です。

八十亀甲絣(白大島)広巾

他産地の織物にも見られる亀甲柄です。端から端までの間に80の亀甲がびっしりと並んでいます。白大島ならでは色と素材感の清々しさ、繊細な織りの美しいデザインが、大変に心地よい作品です。シンプルに見えてこんなに手が込んでいるなんて。さらりとした大島の触感と整然と並ぶ亀甲柄の愛称の良い仕上がりです。

「龍郷柄」「秋名バラ」「西郷柄」など、大島紬にしかないデザインでありながら、現代にも通ずる意匠デザインは大変に素晴らしいもので、ドキドキいたします。

色んな着物に袖を通しますが、大島紬は、やわらかものの着物とはまるで違う、さりとて真綿系の紬織物とも異なり、着心地といい裾裁きといい、この独特の心地よさは大島でしか味わうことができません。

明日もまた、素敵な作品を続々とご案内してまいります。お問合せはどうぞお気軽にお願いいたします。

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