うんきのあがる江戸小紋「立涌」文様うんきのあがる江戸小紋「立涌」文様

2022年2月3日

うんきのあがる江戸小紋「立涌」文様

二本の曲線が向かい合って、ふくらんだり、すぼまったり、を繰り返す文様は「立涌(たてわく)」文様と呼ばれます。古く平安の世から公家階級の装束などに用いられた伝統的な文様(=有職(ゆうそく)文様)の一つです。

水蒸気がわき立ち上っていく姿を描いたとされますが、陽炎が揺らめいてのぼっていく様や、雲気が立ち昇る様子にもたとえられ、幻想的で縁起の良い文様とされてきました。

本日は、この立涌文様バリエーションを集めてみました。

《立涌》

波状の曲線は、離れたり近づいたりを繰り返しますが、決して絡み合うことはことはなく、すぐにもとの曲線に戻り離れていきます。世の中には、こんなお付き合いもあって、親しくなり過ぎないゆえに長く続く、そんな交わりもあるのかなと思います。

《ぼかし立涌》

曲線のふくらむ部分の端に細やかな点々を入れて、ぼかし染めのように見えます。くっきりとした立涌もようではない分、しなやかで清々しい上昇気流のようであります。

《小菊立涌》

立涌もようを描いているのは、小さな菊の花です。立ち昇る雲気(運気)はまさに花道。愛らしい江戸小紋です。

《梅立涌(地型)》

立涌もようの中に梅の花びらを散らした、立涌のアレンジ柄です。白目の多い「地型」という型紙で染めています。少し離れてみると、とてもしなやかで、お花が気持ちよく立ち昇る様子がファンタジックで可愛らしい江戸小紋です。(梅と申しましても、色んなお花をイメージできることから、季節を問わずお召し頂ける江戸小紋です)

有職文様らしい気品をそえて、こんなコーディネートをしてみました(*^^*)

(梅立涌×染め帯「曜変天目」)

※帯の詳細はこちら⇒友禅染め名古屋帯「曜変天目」

※立涌文様いろいろ、江戸小紋専門サイトではこちらにて⇒立涌文様

 

さて、いよいよ明日には春がやってまいります!そして、季節の変わり目である「節分」の今日は、邪気にとりつかれぬように気をつけなくてはなりませぬね。

豆まきをしますか?恵方巻を食べますか?

そうそう、豆まきの由来をご存じでしょうか?「まめ」は、鬼の目である魔目(まめ)に豆をぶつけて魔滅(まめ)(=鬼退治)の効果があるという語呂合わせだそうで、ちょっと面白いですが、もともと生命力の源であるお米や豆には邪気払いの効力があるとされていたそうです。ただ、豆まきは炒った豆がよろしいようです。もし生の豆をまいちゃって拾い忘れると、いつの間にかそこから芽がでてきちゃったりして、それは大変です!だって鬼さんの復活となってしまいますから。「炒る」は「射る」。くれぐれもお気をつけ下さいますように(^^;)

恵方巻をまるかぶりされる皆さまは、今年の方角は北北西。どうぞ美味しくお召し上がりくださいますように。

そして、邪気を払ったあとは、上昇気流にのっかって福をもらいにまいりましょう。

当店の江戸小紋は、お色と柄をオーダー頂いてからお染めしております。染めと仕立てにおおよそ3カ月ほどのお時間を頂戴いたします。思い立たれましたら、どうぞお早目にご相談下さいませ。

***

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