2022年2月1日
2月でございます。あっという間に今年は一か月が過ぎました。いかがお過ごしでしょうか?
立春もまぢかとなり、あちこちで梅がほころびはじめて、春の兆しを感じます。わたしたちが寒い寒いと震えている間にも、春はゆっくりと近づいてくれているようです。
さて、本日は、江戸小紋のお話をさせて頂こうと思います。
お着物をお誂え下さる皆さまは、ハレの日のお召し物や、お着物ライフを豊かに晴れやかに、そんなお気持ちでご来店やご相談を頂くことがほとんどでありますが、でも、人生にはハレの日ばかりでなく、哀しみに包まれる日も多くございます。そんな日のお召し物について、ご相談をお受けすることも、実はちょくちょくございます。
本日は、法事や偲ぶ会などの場での江戸小紋の装いについて、ご案内しようかと思います。
ご遺族として通夜葬儀の場合、また一般弔問客として告別式に出向かれる場合は喪服がよろしいかと思いますが、ご遺族以外でお通夜にご弔問に行かれる場合であったり、ご親族がお見送りを済まされた後、偲ぶ会やお別れ会のご案内を頂いたりした場合はどうしよう。また、お身内の方を亡くされた場合も、一周忌や三回忌など回忌を重ねた法事のお席には、どうしましょうか?(お身内の場合は、三回忌まではご親族は喪服で、というケースもありますので、お家柄事情や地域性などご確認下さいませ)
そうした場合は色喪服!という選択はもちろんなのですが、江戸小紋でもお色を選んで頂きましたら、喪にお召し頂ける文様もございます。特に、「鮫」「行儀」「通し」などの三役は、そうした場にもふさわしい文様です。
(鮫文様)
江戸小紋の王道「鮫」文様は、お色を選んで頂ければ、そうした不祝儀の場面でもとてもお召しになりやすいお着物です。
特にグレーや渋めの紫のバリエーションでお作り頂くと、安心してお召し頂けると思います。
回忌が浅い場合は、黒喪帯を合わせて頂き、偲ぶ会や回忌が増えれば色喪帯を合わせて頂くとよろしいかと思います。
帯のお話では、以前にそうした場面でもお召しになりやすい、蓮の花に流水を描いたしめやかな友禅の帯をオーダー頂いたことがございます。そんな帯もご用意があると良いかもしれません。
(行儀文様・通し文様)
行儀や通しの文様も三役の一つであります。
一般的に回忌が浅い場合は濃い目のお色、回忌が増えたり偲ぶ会などの場面では薄めのお色が良いかもしれません。
紋は一つ紋がよろしいかと思います。紋は入っていた方が礼を尽くした略礼装になりますが、昨今ではお別れ会なども多様化し、また法事も身内のみという簡素化も進んでいることから、必ずしもないとダメではないかもしれません(こちらもお家柄状況などご確認下さいませ)
もし、紋なしでご用意頂くと、普段はお好みの帯をあわせてお楽しみ頂けますし、華やかな帯をあわせると慶事にもお召し頂けます。
年齢を重ねるほどに、哀しみによりそう機会も増えてまいります。日ごろ何ごともない穏やかな時に、ご用意を頂けるとよろしいかと思います。
なかなか相談相手もいなくて・・・という方もいらっしゃるかと思います。色んなご事情などなど、いつでもどうぞ何なりと、ご遠慮なくご相談下さいませ。
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