2021年11月30日
今年の紅葉も見納めのピークとなりました。
なので、先日の定休日に、毎年恒例の「神宮外苑いちょう並木」をパトロールにまいりますと、これ以上ないほどに誇らしく背筋を伸ばして迎えてくれました。
折しも、雲一つない快晴の青空に、この上なく熟した金色の銀杏たちが、青色を切り裂くように輝いていました。
そして、毎年恒例のこの句も、もう空で言えるほど、しみついてしまっております(^^;)
金色のちひさき鳥のかたちして
銀杏ちるなり夕日の岡に(与謝野晶子)
「恋衣」という句集に納められた一首です。ふふふっ、恋衣って、このブログのタイトル(つれづれ日記「恋衣」)でもあるのです。
名づけた時には、与謝野晶子さんのことを思っていたわけではありませんが、(恋衣=心から離れられない恋、それは常に身から離れない衣のよう)まるで、愛着をもって親しむ着物や帯みたいだな~なんて思いまして、「恋衣」という言葉を拝借しました。
いちょう並木は、たぶん今が最も美しく、金色の鳥たちは、旅の準備を始める頃です。今年は例年よりも、うんと素晴らしい瞬間に立ち会うことができました。
銀杏が色づくのを見ると、どうしてだか母や弟を思い出します。
絵を描くのを趣味にしていた母は、この銀杏並木の絵を置き土産に、ある日、葉っぱが飛び立つようにいなくなってしまいました。でも、その絵は今年も忘れずに、自宅の玄関を彩ってくれています。
弟は、この場所に縁はありませんが、幼い頃に、葉っぱを落とした木を見て、寂しいと泣いたことがありましたので、秋を終う銀杏の落ち葉を見ると、じんわり思い出します。まっ、きっと本人は、今では何のことやら「やめてくれ」と申すでしょうが(^^;)
となりの公園には紅葉が真っ赤に空を染めていました。銀杏が色づくのを待っていてくれていたのでしょうか。まもなく、赤い葉っぱ、黄色の葉っぱが、あたり一面を埋め尽くすことと思います。
毎年、紅葉シーズンの最後に彩りを添えてくれる銀杏です。この葉っぱが舞い上がるのは、もう間もなく。いよいよ冬がやってきます。
表参道では、12/1からケヤキ並木のイルミネーションが点灯します。昨年は暗い夜を過ごしましたので、久しぶりに煌くクリスマスシーズンを迎えます。
そしてお店では、今年も12月中旬から恒例の冬のセールをいたします。今年は在庫商品に加えて、セールの助っ人お着物たちもご紹介できる予定です。
今年一年は、なかなかに身動きの難しい年ではありましたが、残りの一か月は、どうか心華やぐ月でありますように。
寒さがしみるようになりました。どちら様も、どうぞご自愛下さりお過ごし下さい。
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