2021年6月8日
『自然布織物の会』
6/9(水)~6/19(土)
開催します。
「自然布」は「古代布」ともいわれ、草の茎や木の皮から採った繊維でできた布のことで、古来は着るもの(着物)を作るために用いられてきました。しかし、やわらかな絹や木綿が普及すると、自然布はその繊維の硬さゆえに、次第に着物素材として用いられることが少なくなりました。
そして多くの自然布は「帯」としての制作はわずかながらなされるものの、それ以外はファブリック用品として扱われるようになり、自然布の着物は姿を消しました。
しかし、そんな中で「芭蕉布」は、今でも着尺として存在し続けています。
沖縄の自然に育まれた幻の布と呼ばれる芭蕉布です。トンボの羽根のように薄くて軽い布、ハリがありサラリとした肌ざわりの芭蕉布は、風をよくはらみ、蒸し暑い南国にはなくてはならないものでした。
その素晴らしい涼感、肌ざわり、期間中には、ぜひ見て触って、その唯一無二の魅力を味わって頂きたいです。
喜如嘉芭蕉布「二重番匠」
多くの自然布がそうであるように、草木の皮から繊維を採取し糸にする工程は、熟練の技とともに草木を育てることから始まる息の長い重労働でもあり、担い手は大変希少となっていますが、戦後の復興から始まり、今でも守り続けられている希少な伝統工芸品の一つです。
喜如嘉(きじょか)の芭蕉布は、糸の原料の栽培から、糸づくり、織りまでの工程を一貫して全て手作業で行う、日本で唯一の織物でもあります。
芭蕉布の原料となる糸芭蕉は、3メートルほどの高さになるまでに3年の年月を要します。一反分の繊維を取るためには糸芭蕉200本分が必要とされます。
着尺に適した糸をとるのには成熟した糸芭蕉から、限られた一部の繊維が使われます。繊維から糸をつくり、絣を括って、天然染料(琉球藍・相思樹・シャリンバイ・マンゴー・茜など)で染めて、人の手でコツコツと織り上げられます。それはもう、気の遠くなるような複雑な工程であります。
そのおかげで、ゴワつき感のない、しなやかな織り上がり、大変に軽くて涼やかな空気を含み、強くて美しい魅力を放つ織物が仕上がるのです。
※芭蕉布の魅力と工程を動画でご覧になれます⇒◆喜如嘉の芭蕉布サイト⇒喜如嘉の芭蕉布 (bashofu.jp)
後継者不足や、手間暇の多さから、年間わずかしか織られておらず、今後もますます希少なものとなっていくのかと思いますが、麻をもしのぐ清涼感は、この布でしか味わえない醍醐味でございます。
※この柄は、芭蕉布の伝統的な柄でもある「番匠」(伝統的な大工さんの曲尺を模した模様で階段状のデザイン)を二重に組み合わせた模様です。
第二次大戦後には途絶えつつあった芭蕉布ですが、現在では人間国宝となられた平良敏子さんが、その復興へと尽力されたことは広く知られたことでありますが、平良さんの元へと集まった、多くの島の女性たちの想いに育まれて、喜如嘉の芭蕉布は国の重要無形文化財に指定されています。
期間中は、店内にて展示をいたしております。希少な織物「芭蕉布」ぜひ、触れてみて頂きたいなと思います。
芭蕉布着尺×くず布九寸帯
※帯の詳細は、(⇒こちらの記事でご紹介)
こちらは、芭蕉布に琉球紅型を染めた作品。
喜如嘉の芭蕉布に「琉球紅型」の人間国宝「玉那覇有公」氏が紅型を染めた九寸の帯です。
沖縄の染織文化を代表する琉球紅型と、希少な自然布芭蕉布とのコラボ作品です。
とても贅沢な作品でありますが、琉球の自然と芸術文化を味わえる、この上ない工芸品でございます。
芭蕉布の生成りの自然色に、鮮やかな紅型を染めることで、独特の色合いの帯が仕上がっています。
(芭蕉布に紅型九寸帯、ご売約すみ。ありがとうございます)
こちらも期間中、店内にて展示しておりますので、ぜひ、ひと目会いにいらっしゃいませんでしょうか?
急に気温が上がってまいりまして、自然布の肌ざわり、独特な色合いにとても心地よく癒されます。
どうぞぜひ、貴重な機会をぜひ、楽しんで頂けましたら嬉しいです。
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(定休日:日曜日・月曜日)
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