春風に誘われて春風に誘われて

2021年3月2日

春風に誘われて

3月がスタートして、今日は春の嵐となりました。春の嵐は生暖かくて、今日のヤマトさんは汗をかくほどですよと、ずぶ濡れになりながら笑っておられて、何とも頼もしい限りです。

皆さまのお住まいのところではいかがでしょう?

今日はお着物のお話をお休みして、先日の定休日に、代々木公園へ、お花たちに会いに行ってまいりましたので、青空の下、河津桜も梅もただ今満開中❣の 春レポートをさせて頂こうかなと(*^^*) 

花と聞くは誰もさこそはうれしけれ
思ひしづめぬわが心かな(西行)

河津桜に間近でお会いするのは久しぶりでありましたが、今にも散り急ぐような儚げなソメイヨシノに比べると、色鮮やかでたくましい、確かな春のはじまりを嬉しく感じました。

河津桜は他の桜よりも一足早く春を連れて来てくれる花です。ソメイヨシノが咲きそろう頃には、花を終えてしまう河津桜、なので、花言葉は「想いを託します」なのだそうです。

今日の嵐が少し心配ではありますが、強風に乗って、その想い、たくさんの春の花芽たちへと届きますように。

代々木公園は、梅園の梅も見頃を迎えておりました。

河津桜の周りでは、多くの人がお花見を楽しんでおられましたが、梅園には人影まばら。ここで、ちょっと、一休み、梅見とまいりましょう。

古くはお花見といえば「梅」の花、だった時代もあったんだもんね、なんて言いながら。

紅梅ほど、こんなに艶っぽく、眩しく見える花もないな、などと思ったりしつつ。

白い梅の枝には、鶯ならぬ烏がとまり立ち去ってくれません。きっとこの芳しい香りがわかるのですね。そっか君たちは、代々木公園の住人ですものね。

梅の花さやかに白く空蒼く
つちはしめりて園しづかなり(伊藤佐千夫)

梅の花の後姿は、こんなにも可愛らしいのだと、ちょっぴりキュンといたします。

梅の花言葉には「約束を守る」なんてのがありまして、それはかの有名な逸話、菅原道真が大宰府に左遷された際、都の梅の花に心を託して呼んだ歌「東風(こち)吹かば 匂ひおこせよ の花 あるじなしとて 春なわすれそ」に起因しているのでしょうか?

あれ?ではなくて、そのもっと以前から、梅はそういう花なわけで、だから道真がその気持ちを託したのですね、きっと。そして飛梅となって空を駆け彼を追いかけたのです。

ねえ、私の願いも聞いてくれるでしょうか?白梅に語り掛けると、ふんわりと笑ってくれました。

思えば一か月半ほど前に、この公園の土道をランニング中に足を踏み損ねて、膝の靭帯を切ってしまうという悲劇に見舞われたのでした。それなのに、その脚をひきずりながら凝りもせず春に会いにまいりました。

でもでも、そんな私にも、花たちは優しく言ってくれるのです。

わたしたちが咲くまでに、歩けるようになって良かったわ(*^^*)

あいにく帰りにはタクシーさんのお世話になってしまいましたが、それでも、春風に吹かれて季節を味わえる、そんな時間が嬉しい休日でございました。

自宅に戻り空を仰ぐと、まあるい月がビルを伝って昇ってきました。

大空は梅のにほひにかすみつつ
くもりもはてぬ春の夜の月(藤原定家)

春霞の空には梅の香りが似合うようです。

嵐は明日には止むそうで、晴れ間が戻って来そうです。

今月は、また素敵な催事も予定しておりますので、近々にサイト内にてご案内を始めたいと思います。変わらずまた引き続き、お訪ね下さいましたら嬉しいです。

今週も、どうぞよろしくお願いいたします。

 

*今週の営業時間*
11:00~18:00 通常営業
3/4(木)17:00閉店

(定休日:日曜・月曜)

 

お問い合わせはこちら

検索

つれづれ日記「恋衣」について

つれづれ日記「恋衣」
について

店主ブログでございます。
お店でご紹介しているお品や楽しい催事のことはもちろん、お着物周りのお話から、日々思うことや趣味のお話まで、徒然なるままに綴っております。
“恋衣(こいごろも)”とは忘れられない恋のこと。気になるお品やお話などがありましたらどうぞお気軽にお問合せ下さいませ。

旧ブログ
「店主のつれづれ日記」はこちら

お問い合わせはこちら

カテゴリー

おあつらえバナー

カレンダー

2023年6月
 1234
567891011
12131415161718
19202122232425
2627282930  

Twitterタイムライン