2020年9月3日
昨夜は満月でございましたが、残念ながら夜空は厚い雲に覆われて、お会いすることが叶いませんでした。皆さまのお空はいかがでしたでしょうか。
朝の通勤路では随分と風が心地よくなり、道端の草むらから聴こえる声は秋虫の音色に変わりました。あ~秋が来たんだな、ちょっぴり胸のあたりがスース―いたします(^^;)
年齢を重ねると、ますます秋が愛おしく感じます。何しろ人生の秋もはじまり・・・あれ?でも考えてみれば、これからは一年で最も過ごしやすくて、彩り深まる楽しい季節がはじまるのかもしれませんね。なんて、うふっ。
秋の醍醐味は、何といってもお月様。秋の空は高く空気もさえて、夜空にくっきりと輝くお月様に出会うことができます。
ということで、月を描いた帯、この秋の新作です。
友禅染め名古屋帯「萩に月」
秋の夜の心をつくすはじめとて
ほのかに見ゆる夕月夜かな
(藤原実家)
塩瀬の帯です。深みのあるこっくりとした焦げ茶色。温かみの残る秋の夜の色です。
十五夜の待ち遠しい秋の夜長、お月様に照らされて、赤く色づいた萩の花実が嬉しそうに笑っています。萩は秋に花を咲かせて、晩秋の頃に実を結びます。秋を彩る植物です。
尾形光琳をはじめとする「琳派」の画に描かれた景色を帯にしたものです。情緒たっぷりの繊細な糸目には、素直に気持ちが寄り添います。
萩と月、それさえあればお酒が飲める(^^;)そんな夜長のはじまりでございます。
コーディネートしたお着物は、こちらも新作。
じつはこれ、浮き織(ロートン織)の三才山紬なのです。栗の皮を用いた草木染め。栗を焙煎してこんなに淡い色を出すのは至難の業で、三才山紬を手掛ける横山さんにしかできないお仕事なのです。紬なのに、レース調のお洒落感がたまらない、愛らしいお着物です。(詳細はまた後日たっぷりと)
さて、満月翌日、今宵の夜空はどうでしょうか?
今年の十五夜は10月1日です。その頃にはきっと、台風も過ぎ去って、ぽっかりと、にっこり浮かぶお月様に会えるはず。それまで、欠けたり満ち足りする夜空に思いを馳せて、ゆっくり秋を深めてまいりましょう(*^^*)
◆お知らせ:9/15(火)~19(土)秋のコーディネート展開催します!期間中は秋を彩る「京友禅染め帯」も色々ご案内予定です。どうぞお楽しみにして下さいましたら嬉しいです。
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