2020年5月15日
少し前まで冬だったってことを、すっかり忘れてしまいそうに気温の高い日が続いています。皆さまのお住まいのところではいかがでしょうか?
何でも、今年の冬(12~2月)は記録的暖冬だったのだそうです。思い返せばそうですね。スキー場に雪が積もらない、なんてニュースもありました。思えば私は、ひとえ夏の長襦袢のまま冬を越してしまいました💦
とすると、今年の夏はどうなるのでしょう?気象庁の6~8月の予報では「平年並みか高い」。とはいえ、2019年も2018年もそうでしたから、平年とは何か?がすでに分からなくなっていますが、今年もきっと暑い!覚悟して待ち構えましょう(*^^)v
本日は、江戸小紋文様のご紹介です。
この自粛期間に「江戸小紋のお試し染め」をご注文下さるお客様もあり、何しろ工房も注文が激減しておりますので、大変ありがたいことでございます。
お試し染めは、お好みの色柄をお選び頂き、30㎝ほどの長さに染めた試しキレをご自宅にお届けするサービスです。(※お試し染めのご案内⇒こちら)
秋冬に向けて「お試し染め」をしておかれますと、この先の楽しみが増えるかなと思います。
本日は、袷も単衣も夏にも、風情たっぷりの文様のご紹介です。
江戸小紋「雪輪文様」
伝統的な文様「雪輪」です。こちらの文様は「地落(じおち)」といって、点々の中に柄の浮かび上がる文様です。
『地落ち(じおち)』の型紙は、柄の輪郭線を残して、その周囲を点々で埋め尽くして彫ります。染めた時には彫り残した輪郭線の部分に地色が入りますので、柄の輪郭が浮かび上がり、周囲の細かい点々がとても微細な美しさを放ちます。熟練した彫り師と、染め師によってのみ完成する、繊細で高度な美しい様式です。
こちらの雪輪文様の点々、実は鮫柄にもなっているのです。江戸小紋の美しさを堪能できる、情緒豊かな文様です。
随分の前のことになりますが、雪輪柄を夏の絽に染めて下さいましたお客様がありました。それは2010年のことでした。なんともう10年も前。2010年は記録的な猛暑の年でしたが、全身を雪の結晶で包み込み、猛暑の夏を楽しまれたお客様です。
それはもう、大変に清々しく、美しい夏姿でございました。(「お客様おあつらえ写真集」では⇒こちら)
同じ「雪輪」文様も、シックなお色にお染めすると、途端に粋な大人の香りがしてきます。江戸小紋は大変に不思議なもので、同じ文様でも染める色が違うと、まるで違うお着物のように見えたりします。また同じお色でも文様が異なれば、それはもう雰囲気が全く異なります。
伝統技術とお客様のセンスによって生み出される、それぞれの景色。繊細で微細な広い広い世界の中に、お一人お一人の心地よい居場所を見つけて下さいましたら、どんなにか嬉しいことでございましょう。と思っています。
こちらは「極型」の雪輪文様です。
同じ「地落ち」の型紙を用いて染めています。細かい点々は鮫柄ではありませんが、細やかな雪の結晶は、粉雪でしょうか。
四季折々に風情を感じる「雪輪」文様は、古くから日本人の美意識に叶い、心を寄せたくなる文様として愛され続けてまいりました。
当店の江戸小紋は、一部の反物をのぞき、色と柄をご指定頂いてオーダーにておつくりしています。
いつもは店内で豊富な色柄見本をご覧頂けるのですが、ご来店の難しい今は(↓↓↓)
◆お家にいながらにして届く「江戸小紋のお試し染め」。どうぞお気軽にお問合せ下さいませ。
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