2020年3月14日
今月は、3/24(火)~28(土)まで、いつもとはちょっぴり違う江戸小紋作品のご紹介をさせて頂きます。
大野信幸先生は
1947年京都の大野國染工場に誕生され
1965年から東京の江戸小紋工房にて修行
1970年大野國染工場の跡を継がれて
1995年には「伝統工芸士」に
2008年には『逆鮫』の作品が認められて
京都府伝統産業優秀技術者「京の名工」に認定
そして2015年には長年の功績に対し
瑞宝単光章を受賞され
今日に至るまで精力的に創作活動継続中!
※京の名工に認定された大野先生の得意技「逆鮫」今回もご紹介いたします。
逆鮫というのは大野先生が名付けられた名前ですが、文様は「鮫」です。通常の江戸小紋は、鮫模様の点々が白く抜けて染め上がります。本来江戸小紋は型紙を置いて防染糊で型付けしますので、防染された点々の部分が白く抜けるのです。
一方大野先生の「逆鮫」は点々の部分に色が入ります。防染糊を使わずに直接色糊で型付けをするのです。それはちょっと難儀なことで失敗がまるで許されません。また型送りをする際に少しでも他に部分に糊が触ってしまうと余計なところが染まってしまい失敗になってしまう、大変困難なお仕事でもあります。
しかし、点々のみに色が入る鮫小紋はとても清々しくて美しく毎回とてもご好評を頂く作品でございます。
17-8年も前のことです。お店を開業する少し前、今とはまるで違う仕事で飛び回っていた私は、ふるさと三重の伊勢型紙職人さんの紹介で大野先生と知り合いました。その時には着物屋さんをすることになるなんて夢にも思っていませんでした。それがどうしてこうなったのかはハショリまして(^^;)、数年後のある日突然「江戸小紋のおあつらえ処」をしようかと閃いたのです。
「色と柄を選んでオーダーできる伊勢型紙手付けの江戸小紋」それが開業のコンセプトでした。しかし京都は分業で成り立っておりオーダーの仕組みを構築することは困難でした。そんな時出会ったのが、開業以来ずっと当店の「おあつらえ染め江戸小紋」を一手に担って下さっている江戸小紋職人「石塚幸生」先生でした。石塚先生との出会いにより私のおぼろげな開業計画は途端に現実味を帯び、周囲からの無謀だとの声には耳を貸さず2007年は開業準備に没頭し、2008年1月一人でひっそりとお店を開きました。
それでも大野先生の作品をいつか当店でも扱えるといいな。悪戦苦闘の中でなんとかお店らしくなってきた頃、恐る恐る大野先生に声をかけてみました。すると「よく頑張ったね~待ってたんだよ♪」とおっしゃって下さったことをとても良く覚えています。
それから毎年一度、大野作品をご紹介する会を開催してまいりました。おかげ様でこれまでも多くのお客様にお気に召して頂き、お出かけ下さる姿を拝見するのが楽しみでございます。
いつの間にか時は流れますが、日々工房に立ち、移り行く時代に寄り添いながら朗らかに黙々と仕事をされる職人さんです。
今回も、大野作品ならではの「逆鮫」をはじめ「天目染め」の江戸小紋、また常時はご案内のない文様も多くご紹介できる予定でございます。
春うららかな日に、どうぞぜひ、ご予定下さいましたら嬉しいです。
3/28(土)大野先生来店!です⇒新型コロナの影響で中止(延期)となりました
大野先生の来店を予定しておりましたが、この度の状況を鑑みて、やむなく中止(延期)をさせて頂きます。
作品のご案内は店内及びサイトにてさせて頂きます。色々とご覧下さいまして、お楽しみ頂ければ嬉しいです。
<営業時間>
(しばらくの間午後6時閉店)
火・水 午前11:00~午後6:00
木・金・土 午前11:00~午後6:00
定休日:日曜日・月曜日/
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