2020年3月6日
このところ、あちらこちらで石鹸手洗いをしたりアルコールを刷り込んでいるせいで両手がカサカサです。大事な潤いが日に日に奪われているのかも(^^;)、神経質になり過ぎてはいけませんね。皆さまはいかがお過ごしでしょうか?
さて本日は縁起の良い江戸小紋文様のご紹介です。単衣の季節にも爽やかにお召し頂ける文様です。
※画像は見本染めを撮影しています。お好みのお色でお誂えをいたします。
ご利益満載のこの文様は『毘沙門亀甲(びしゃもんきっこう)』といいます。
毘沙門亀甲とは?亀甲なら知ってるけど。
ご存じのように「亀甲」とは亀の甲羅のこと。亀の甲羅は六角形!亀甲は六角形をした文様です。長生きの亀さんにあやかって不断長久の縁起柄です。
「毘沙門亀甲」は、三個の亀甲(六角形)のそれぞれ二辺を接するように合わせた、三つの六角形がくっついた文様のことです。ご紹介している画像の文様はデザインじょう真ん中に線がありますが、この線を取り除いて見るとなるほど六角形が組み合わさっているんだなとわかります。
どうして「毘沙門」と名付けられたかと申しますと、七福神のお一人「毘沙門天」さんの甲冑(甲と鎧)に描かれていた文様だからです。
毘沙門天さんは甲冑を身に着けて鉄棒を持った仏様の用心棒でもあり何しろ強い神様です!そのため古くから必勝祈願の守り神様と言われてきました。また毘沙門天さんのお生まれはインドであるということから、財宝福徳の神様としても知られています。なので、商売繁盛・金運財運の神様でもあります。
そしてさらに、毘沙門天さんは凄いのです。古くから疫病を追い払う役目を担っており、無病息災の神様でもあります。むむむっ毘沙門天さま!今もっとも活躍頂きたい神様でもあるのです(^^;)
錐彫りの毘沙門亀甲
地型の毘沙門亀甲
「地型」とは・・・
通常の江戸小紋の染めは生地に型紙を置いて防染糊を型付けします。すると点々や線で彫り抜かれた部分に防染糊が置かれます。糊が乾いた後地色を染めて蒸して洗い流すと最初に置いた糊が落ちて点々や線の部分が白く浮き上がります。上の画像では地色は紺色です。最初に糊置きをした点々が白く浮き上がり毘沙門亀甲の柄が白の点々で浮かびあがります。
地型でもその染め方は同じですが、型紙に特徴があります。それは染めた後白く残る部分(型紙が彫り抜かれた部分)が圧倒的に多いのです。
つまり下の画像の黄色の部分が型紙の紙が残っている部分、白い部分が彫り抜かれた部分です。地色の黄色で文様を描くため「地型」と呼ばれています。
でも、考えてみればこんな繊細なラインを残した型紙を制作することは並大抵ではございません。そのために彫り職人さんも染め職人さんも熟練の技術を要するお仕事になります。
しかし、そのおかげでとっても爽やかな清々しい江戸小紋が仕上がります。お好みのお色で単衣仕立てにしてもとっても素敵だなと思いますが、いかがでしょうか(^.^)
江戸小紋は微細な幾何学模様の繰り返しで、とてもシンプルなお着物のように見えますが、こうして文様のいわれや職人技に触れるとその奥深さが心に沁みてまいります。そんなことも含めてお召し頂けるのが江戸小紋の魅力でもございます(*^^*)
鮫や行儀をはじめとする三役・五役の江戸小紋のみならず、古くから人々が想いを込めて繋いできた文様たちをどうぞぜひご堪能頂けましたら嬉しいです。
お時間がありましたら一度ぜひゆっくりご相談にお越し下さいませ。明日の土曜日も店内清潔にしてお目にかかれますのを楽しみにお待ちしております。
(おあつらえ江戸小紋専門サイトでは)
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