2020年1月11日
連日「江戸小紋」の文様をご紹介しておりますが、今日は「通し」柄についてのご紹介をさせて頂こうと思います。
早速ですが通し文様は点々の粒が四角□の形のため「角通し」と呼ばれこともございます。
タテヨコ垂直に整然と小さな点が並びつくす様子は、大変に清々しくて気持ちの良い文様です。江戸小紋三役(鮫・行儀・通し)の一つで「格」のある文様とされていますので、各種の式典やお茶席にも好まれます。もちろん帯あわせをかえれば、普段のお出かけにもコーディネートのしやすい江戸小紋です。
当店では、点の大きさから3タイプの「通し」文様のご用意がございます。
通しは「筋を通す」にもつながる意味があり、衿を正して背筋を伸ばし、何事にも筋の通る毅然とした佇まいに惚れ惚れといたしますね。
江戸小紋のお話からそれてしまいますが・・・ところで「筋を通す」ってどんなことなのでしょう?気になってしまいました💦
辞書によるとそれは、首尾一貫して道理にかなうことと書かれています。でもじゃぁ「道理」って何だろう、道理は、物事がそうであるべき筋道。う~ん、とすると「筋を通す」ということは、そうであるべき筋道を貫くっていうことなんだ。
でも、長いこと生きてしまって感じることは、物事のそうであるべき筋道って、世の中においてたぶんそれがとても難しいんだなと痛感いたします。だって、何しろ優先してしまうのは、今この時の損得や自己都合だったりするわけで、道理と損得がぶつかり合うとどっちが勝つのでしょう?とかくこの世のあちらこちらで、ため息の出る寂しい空気に包まれることも少なくありません。
そんなことに想いを馳せると…やはり、一人一人の生きる道(生き方の原則とか)、たぶんそれしかないのだな。これまで培ってきた優しさや勇気を礎に胸を張ってスクっと立てる人でありたい。たとえ意固地だなんて言われても気持ちの良い筋の通し方をして生きていきたいものだなぁ~と、お正月早々にもかかわらず身の丈に合わぬ高度な妄想を繰り広げてしまいました(^^;)
とはいえ、ひ弱な迷いを排除することなどできぬのが人の生きる道のり・・
筋の通る「角通し」の文様をよく見ると、一つ一つの粒はそれぞれ揺らぎのある一つ一つであるのがわかります。これこそ職人さんの手技の味わい深さですが、人生も一緒かも、だってどの一つの事柄も実はこんな風に迷いながら形作られるもので、それぞれは完璧じゃない。でもそれでも「私の生きる道」から大きくはみ出してしまうことがないのなら、筋はちゃんと通っていくのですね。
角通し、あこがれの文様です(*^^*)
さて、三連休いかがお過ごしですか?本日は「おあつらえ写真集」に初春にふさわしい素敵なお客様をお迎えしております。ご遠方からお着物でご来店下さいましたお客様の「シャンパンゴールド初春のコート姿」でございます。
初春、そう、春でございます(*^^*)
そしてお店には、そろそろやっと新春の新作たちが到着しはじめました。来週は、いよいよ初春新作のご紹介をはじめたいと思います。新春新作おひろめ展は1/21(火)からでございます。店内も華やかになりつつあり、どうぞぜひまたのんびりとお出かけ下さいませ。
※江戸小紋「(極)角通し」(納戸色)詳細⇒こちら(反物で染め上がっています)
《おあつらえ江戸小紋》
当店の江戸小紋は、「色」と「柄」をご相談させて頂いてから職人さんがお客様だけのために染めます。染めることからオーダーが始まります。そのため、探しても出会えない!そんなお悩みがございません。お色だけの見本も豊富にご用意しておりますので、ゆっくりとお楽しみ頂けます。
納期:染め一カ月半・お仕立て一カ月半
<営業時間・定休日>
火・水 午前11:00~午後6:00
木・金・土 午前11:00~午後7:00
定休日:日曜日・月曜日
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