2018年11月21日
今朝は今季一番の寒さだったとか、通勤途中マフラーに手袋をした女性を見かけました、そろそろそんな季節なのでございますね。皆さまお風邪など召されていませんでしょうか?
先日、とっても久しぶりにお店を訪ね下さったお客様がありました。お客様が初めて当店を訪ねて下さったのは8年前、その時はまだ20歳の大学生さんでいらっしゃいました。あれからいくつもの月日が流れ、20歳だったお客様は今では何と28歳になられました。8年もの年月が流れたことにも驚きですが、可愛らしい少女だったお客様が素敵な大人の女性に成長されたことに、ちょっぴり目頭が熱くなりました。
大学を卒業されてさらに大学院にも進まれて留学もされて、いつの間にか社会人にもなられ…そんな頼もしいご様子は時々ふわりと風が教えてくれていましたが、その間にはたくさんの年月が過ぎ去り、お客様は広い世界で多くの経験を積まれて、きっともう雲の上に行かれたのかな、裏通りの当店のことなどは忘れてしまわれているだろう、それで良いんだ、そう思っておりました。
なのに、突然に、大人になったお客様が玄関を入られて階段を上ってこられて・・・まさかこれは、もしかして私は、雲の上にあるという?おとぎの世界にでも舞い込んでしまったのかと腰を抜かしそうになりました(^^;)
8年前、初めておあつらえ下さった江戸小紋です。今年の単衣の季節にもお袖を通して下さったとのことで、お写真を頂戴いたしました。
珊瑚色 茶道具文様 江戸小紋
確か初めてお目にかかった時は、まだ成人式を迎えられたばかりという、あどけない少女でいらしたお客様でした。アルバイトで一所懸命貯めたお金をお支払い下さった時には胸がキュンキュンしたことを良く覚えています。その当時「お客様おあつらえ写真集」にご紹介させて頂いた『初めてのお誂え〜二十歳の珊瑚色』ご紹介ページ⇒こちら
ということで、本日は、お客様もお召しの江戸小紋『茶道具』文様をご紹介させて頂こうと思います。
当店では店内に豊富な色柄見本をご用意しております。何しろ江戸小紋の文様はとてもたくさんございます。そのために、できる限り多くの文様をご覧頂いて、お客様ごとにお似合いになるお色をご相談して、そしてそれから職人さんが反物にお染めするという、完全オーダーで承っております。
色柄のお見本は数百種類ご用意がございます。お見本はそれぞれ、お顔うつりを確かめて頂ける大きさをご用意していますので、ご用途やご予算に応じて色々ご相談をさせて頂きながら、ご注文を頂けます。
茶道具文様(1)
お写真のお客様がオーダー下さいました文様です。大き目の茶道具文様で、一つ一つのお道具の可愛らしいシルエットが良く分かる楽しい文様です。
茶道具の文様は、江戸小紋三役や裃小紋とは違い、いわゆる「いわれ(洒落)小紋」の文様です。初釜やお茶席などのフォーマルなお席には不向きですが、江戸後期には武家の奥方様たちが好んでお召しになったとされる文様で、茶の湯の心にも通じる品格のある文様とされてきました。
茶道具文様(2)
茶道具文様(1)よりも細かくて江戸小紋らしい文様です。お茶を嗜まれる方にもお稽古やお出かけにお楽しみ頂けます。
茶道具文様(極)
大変にち密な茶道具文様は、近くに寄らないと柄を認識することができませんが、よくよく見るとびっしりとお道具が描かれています。「極」の文様ですとプチフォーマルな場面までお召し頂ける江戸小紋です。
鮫や行儀などフォーマルにもお召し頂ける「江戸小紋三役」に比べるとご注文は多くはありませんが、こうした「いわれ(洒落)小紋」のユニークでち密なデザイン性にも江戸小紋の奥深さを感じることができます。
ちょっぴりウフフな江戸小紋、心に響く楽しい柄があるかもしれません。お時間がありましたらどうぞお店やサイトも覗いて見て下さい。
ところで、お客様のお名前は「めい」ちゃんとおっしゃいます。トトロのメイちゃんにちなんで名づけられたお名前です。
それでふとおかしなことを想像してしまいました(^^;
「となりのトトロ」あのメイちゃんはどうしているのでしょうか?もしかしてあのメイちゃんもやっぱりもうすっかり大人になっているのでしょうか?トトロのメイちゃんも、あれからしっかりお勉強されて、もう、まっくろくろすけも見えなくなったのでしょうか?ひょっとして例えば最新型の猫バスを開発されていたり、例えばトトロ家族の森の保護に尽力されていたり、いやもしかして、雲の上におとぎの国を作ってくれているのかもしれない・・・。そんなことを想像すると限りない妄想が広がって、今夜は長い夢を見そうです。
夜には寒さが沁みる季節になりました。どうぞどちら様も暖かくしてお過ごし下さいますように。
※11/23(金・祝)は、午前11時~午後6時まで通常営業しております。
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