琳派の梅琳派の梅

2019年11月19日

琳派の梅

今週も引き続き、成謙工房友禅作品展を開催いたします。

先週の一週間ブログを眺めてお過ごし下さった皆さまも、今週こそは実物をお手に取ったりご試着したりしてみませんか?どうぞお気軽に遊びにいらして下さいませ。(お電話やメールでのお問合せもお気軽に!)

成謙工房 京友禅作品展
11/23(土・祝)まで延長中!
(期間中の対象商品お仕立てサービス!)

さて本日は、これから春先まで季節を運ぶ「梅」モチーフの友禅小紋と帯をコーディネートしてみようと思います。

季節感を取り入れたコーディネートは、和装の楽しみでございますが、でもその時期しか身に着けられないから・・と敬遠される方もいらっしゃいます。しかしとはいえ、季節感のない装いばかりでは、せっかくの和装なのに、何だかつまらないものです。少しずつお着物に慣れてきたら、どうぞぜひ、和装の楽しみ「季節感」を取り入れてはいかがでしょうか?

カジュアルにもお召し頂ける、小紋や帯でしたら、気軽に取り入れることができて、心豊かに季節をお過ごし頂けます。

小紋「槍梅」×名古屋帯「祥雲」

真っ黒ではありません。優しい墨色の小紋です。真っ直ぐに枝を伸ばした「槍梅」を大胆に描いています。

梅の花は、来月の後半にもなると早咲きの花が開き、年をまたいで最も寒い季節には雪の中で花を咲かせます。その姿はいかにも健気で、古くから多くの歌にも詠まれてきました。日本人にとっては、桜以上に身近であり、その芳しい香りと可憐な花は、春の兆しをくれる希望の印でもありました。

江戸時代には琳派の画家にもこよなく愛されて、多くの屏風絵にも描かれ、その画風は和装にも多く取り入れられてきました。

12月~3月上旬まで、季節を味わう小紋です。

※友禅小紋「槍梅」商品ページ⇒こちら

コーディネートには、期間中ご紹介の友禅名古屋帯「祥雲」をあわせてみました。年をまたいで幸せを願う、祥雲。

墨色のお着物にスカッとした白い帯も粋で素敵ですが、ちょっぴり気恥ずかしく感じてしまう、そんな方には、ミルクティー色の地色は馴染みが良くて、優しいコーディネートになります。

小紋「笹竹」×名古屋帯「琳派の梅」

グレージュ色の小紋です。シルバーグレーよりも温かみがあり、ベージュよりもクールなお色が人気です。たぶんきっと、年齢を重ねるほどに着やすく(気安く)なるお色かなと思います。

槍梅風のデザインを笹竹であらわした成謙さんオリジナルの文様です。笹も竹も季節を選ばずに情緒を感じさせてくれる、和装には万能のアイテム。だからこそ、季節の帯を合わせてみるのも楽しいです。

琳派の画風で描かれた梅の花。流水が描かれているとより一層に幽玄な感じがします。紅白の梅の見事な季節、関東では2月でしょうか。帯のご着用は12月~3月上旬まで、味わいのある季節の風情をお楽しみ頂けます。桜と並び、梅モチーフはお着物好きにはぜひ取り入れたいアイテムの一つだと思います。

奈良時代にはお花見と言えば「梅」。梅は桜の花よりずっと以前から日本人が親しんできた花なのです。そして万葉集には最も多く読まれた花でもあり。寒い季節に花を咲かせる凛とした佇まいに多くの歌人が心を奪われてきました。

また、その健気な姿ばかりでなく、風が運ぶ甘い香りに心を震わせた梅花月光の歌人「定家」の残した切ない歌には、時を越えて心を寄せたくなります。

梅の花にほひをうつす袖の上に
軒もる月の影ぞあらそふ
(藤原定家)

(あなた様との思い出の軒で涙にくれる私です。濡れた袖には梅の香りが匂いを写し、夜空の月は袖の涙に影を落として、梅と月は袖の上で争う如く。なので私は、ますます切なくて涙が止まらないのでございます)なんて感じの歌です。なんと・・・美しい世界でしょう。この美学は、なかなかよそのお国の方には伝わりにくいものかもしれませんが、皆さまは、いかがでしょうか?

胸がじ~んとしてきたら、素敵な和美人の証でございます(^^;)

桜と違い、ハラハラ舞い散ることのない梅の花には、心を預けたり、慰められたり、そんな優しい逞しさも感じますね。くる年もどうか穏やかな年となりますようにの願いを込めて!(名古屋帯「琳派の梅」、小紋「笹竹」は今週いっぱいのご案内です)

 

グレージュ色の小紋は「羽織」仕立てでも大変に気持ちの良いお召しものが仕上がります。

何しろ、春の日差しを感じる頃には、淡いお色の羽織ものが見た目にも心地よく感じます。長くご愛用頂ける、友禅の羽織。お着物を選ばず、秋・冬・春、重宝な羽織になりますね(*^^*)

成謙工房 京友禅作品展
11/23(土・祝)まで延長!
(期間中の対象商品お仕立てサービス!)

11月も後半へと突入でございます。年末に向けて身の回りが大忙しのシーズンになる前に、どうぞお気軽に遊びにいらして下さいませ。

今週もお会いできますのを楽しみにお待ちしております。

<営業時間>

火・水   午前11:00~午後6:00

木・金・土 午前11:00~午後7:00

定休日:日曜日・月曜日

 

 

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つれづれ日記「恋衣」について

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“恋衣(こいごろも)”とは忘れられない恋のこと。気になるお品やお話などがありましたらどうぞお気軽にお問合せ下さいませ。

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