2023年2月28日
先日の土曜日、年賀状のやり取りだけになっていた遠くに住む古い友人と、二十数年ぶりに再会できました。お店をしていると、予告なく思いがけない人が訪ねてくれる時があります。遠くの友人知人は「上京のついでに会いに行こうかな?でも営業中に邪魔だよな、それに自分も時間取れるかどうかわからないしなぁ」って感じで、私の知らぬ間に会えずじまいになったりして・・・でも、今回は、ちゃんと会えました!
お嬢さんの受験の付き添いで上京されたとのことで、ちょうどお客様の来店もなく、二人だけの昔話に花が咲き思わず目頭が熱くなったり・・・。長い時間、泣いたり笑ったりして、お嬢さんが合格すれば、もっと上京の機会が増えるね、今度はごはんに行こねっなんて、またきっとの再会を約束して、東京には不慣れだという頼りなげな後ろ姿を見送りました。そしてその後、あっ!と思い立ったのです。
何しろその受験、東京大学なんです!つまりそれ、私にも応援できることがあるじゃん!湯島天神さまにお願いに行こう!合格すればもっと長~いおしゃべりができる。それに折しも梅が満開の時でございますゆえ。
というわけで、前置きが長くなりすみません。で、行ってまいりました!湯島天神(湯島天満宮)梅まつり❣
2/26(日)は、風の冷たい寒い日でしたが、爽快な青空に梅の花満開!多くの人で賑わっていました。
梅の花今盛りなり
百鳥(ももどり)の声の恋しき春来たるらし
(万葉集/よみ人知らず)
同じ枝に、白梅と紅梅、この梅の品種は「思いのまま」と言うそうです。なんとも得した気分になれる梅。意外にも素通りされている方も多かったので、近くにいらした方に教えてあげました。だって、「思いのまま」なのですから(*^^*)。
湯島天神は「菅原道真」公をお祀りしており、ゆえに学問成就の神として有名なわけで、だから正にこの時間に戦っている友人のお嬢さんのためにパンパン、そして今年も春が来たことに感謝してパンパン。
東風吹かば 匂ひおこせよ 梅の花
主なしとて 春を忘るな(菅原道真)
道真公の身の上に起きた事の真偽がどうであれ、やはりこの歌は哀しくて切ない。それでも、梅の枝が遠い大宰府まで一夜のうちに飛んで行ったのかと想像すると、その枝は「思いのまま」であって欲しいと、今さらですが願ってしまいます。
湯島天神から上野公園までは徒歩でおよそ10分ほどです。不忍池(しのばずのいけ)では河津桜が咲いているらしいと耳にして、テクテクと散歩に出かけました。
すると、なんと池のほとりの「河津桜」満開です🌸
さらに、上野公園の玄関先には「大寒桜」がほころび始めていました。
ところで道真公ですが、梅の和歌はあまりに有名でありますが、桜のことも忘れてはなりませぬね。
桜花 主を忘れぬ ものならば
吹き来む風に ことづてはせよ(菅原道真)
もし私を忘れていないなら、桜よ、風にことづてをせよ!だなんて、風はどうしたのでしょう?きっと、京の桜を大宰府に咲かせてくれたに違いないけれど・・・あっ、シラサギ?ですね。君なら確実に桜のことづてを運んでくれるでしょうか?
湯島天神の境内には、屋台が並び、野点や物産展や大道芸や、とにかく多くの人とひしめき合って満開の梅を愛でてまいりました。そして、威勢の良い掛け声の中、お神輿渡御がはじまり、白梅太鼓の演奏も披露されて、快晴の空の下、江戸情緒たっぷりの春の一日となりました。
帰り道には、ここで、どらやきを買い食いしつつ、うさぎまんじゅうも買い込んで、足取り軽ろやかな下町散歩でございました!ピョン🐇☺
そういえば、梅といえば。。。
梅花月光の歌人「藤原定家」によると、月は切ない心を映す鏡となり、寒さの中にただよう梅の香は、その心を一層に研ぎ澄まし震わせるものとして描かれています。
毎年のことですが、梅の季節には、ぜひ、その気持ちをわかりたいなと思ったりします。
梅の花にほひをうつす袖の上に
軒もる月の影ぞあらそふ
おほぞらは梅のにほひに霞みつつ
曇りもはてぬ春の夜の月
さて、いよいよ明日から3月でございます。
皆さまの身近な春はいかがでしょうか?空が少し明るくなり、どこからか甘い香りが運ばれてきたら、草木には新しい命の芽が次々と生まれる時でございます🌱
今週も元気にお店番をしております。お近くにお越しの際には、いつものようにお気楽に、どうぞお訪ね下さいませ。
*営業時間*
3月3日(金)臨時休業
午前11時~午後6時
(定休日:日曜日・月曜日)
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