2022年3月29日
東京の桜は満開を迎えました。皆さまのところでは、いかがでしょうか?
ということで、定休日の日曜日に、桜の名所「千鳥ヶ淵」を散歩してまいりました。あいにくの花曇りでありましたが、見事な桜並木がむかえてくれました。
コロナ前に比べると、日曜日のお昼間の人通りは半分ぐらいなのかなと思います。程よい賑わいで、ぶらぶら散歩するのにはちょうど良い、春の休日でございました。
本日は、千鳥ヶ淵桜レポートです。
桜の歌人「西行」の和歌をお供に、よろしければどうぞご一緒に🌸
おのづから来る人あらばもろともに
眺めまほしき山桜かな
毎年、桜が咲いている時期にお出かけできる休日は、わずか一回ほどで、どこに行くのか迷ったあげく、やっぱり来てしまう千鳥ヶ淵です。自宅から近いということもありますが、お堀沿いに咲く圧巻の桜に、気持ちがソワソワ誘われます。
花と聞くは誰もさこそはうれしけれ
思ひしづめぬわが心かな
在原業平の有名な歌にも「世の中に絶えて桜のなかりせば 春の心はのどけからまし」というのがありますが、毎年、本当にそうだ!と思います。これほどまでに桜に酔いしれるのは、短命な花の期間に加えて、この時期の不安定なお天気を憂うゆえかもしれません。
たぐひなき花をし枝に咲かすれば
桜に並ぶ木ぞなかりける
西行ほど桜が好きか?というと、そこまでは気持ちは並べませぬが、少しでも風が吹くと枝を離れてしまう、淡い桜色のか弱く繊細な花を見ていると、その気持ちよぉ~くわかります。
色そむる花の枝にもすすまれて
梢まで咲くわが心かな
まさに満開。
満開の桜と満月はよく似ていて、満ちる時は今この時。私の心のすみずみまでも、花を咲かせよと誘われているみたいです。
モクレンのお花も、桜のお花見中でした。桜色のグラデーションが誠に美しい春でございます。
お堀の土手にはハナダイコン。咲き誇る桜の木の下で、紫色の絨毯を敷き詰めていました。やがて舞い落ちる花びらを受け止めようとしてくれているのでしょうか。
西行の桜の和歌といえば・・・
願わくば 花の下にて春死なむ
その如月の望月の頃
この歌はとても有名な歌でありますが、以前はあまり好きではありませんでした。でも、この頃なんだか、ジンワリと情景が目に浮かぶようになりました(^^;)
個人的には、晩秋に旅立つイメージを持っておりましたが、春の今じぶん、月灯りの下で、桜舞い散る景色を眺めながら穏やかに目を閉じていくことができれば、確かにそれは、願わくば・・・。
そして、この歌が一番好きです🌸桜ほど、そわそわと気持ちを泡立たせてくれる花はなく、それでいて咲いてもなお、切ない思いの満ちる花はございません。この時期の肌寒さもまた、そんな、いわれなき気持ちを駆り立てるのかもしれませんが・・・
春風の花を散らすと見る夢は
さめても胸のさわぐなりけり
今週の関東地方では見頃の日が続きそうです。このわずか一週間ほどが今年の桜との貴重な逢瀬の機会でございます。
道ばたの桜はもちろん、お近くの公園や名所でも、どうぞ春ののどかな景色をお訪ね下さいませ。
今週も、元気にお店番をいたします。お散歩の足がお疲れになられましたら、ぜひお立ち寄りくださいませ。
※お店周辺のお花見スポットは「代々木公園」も良いのですが、コンパクトで充実している穴場は原宿駅至近(当店から約15分)の「東郷神社」(以前のお花見記事⇒こちら)かな、と思います。
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