2021年10月8日
江戸小紋の王道「鮫」です。鮫の中でも「極」と呼ばれる緻密な文様は、古くから江戸小紋好きの皆さまに愛され続けています。
愛され続けるのはなぜでしょう。
まずは「極鮫~江戸小紋の魅力」について、お話してみたいと思います。
こちらは、潤(うるみ)色 極鮫文様 江戸小紋です。
江戸小紋の魅力
まずそれは・・・何はさておき、「着る人が綺麗に見える」ということです。
なんて申しますと・・・そんなの江戸小紋じゃなくても綺麗に見えるお洋服や着物はあるワ♪
もちろんです。でも、江戸小紋の魅力の第一番にどうして「綺麗に見える」と言い切ってしまえるかというと・・・その理由は、
①信じられないほど繊細な文様を追求したからこそ表現できる美しさがあるのだということ
②柄目の一つ一つは微妙な力加減があり、それこそ人の手による温かみ(間)が凝縮されているということ
ゆえに、染め上がったお着物は、
③決して無地のお着物では味わうことのできない、光の陰影による奥深さがあります。でもそれは、人が着て、立ったり座ったり歩いたりご飯食べたり、そんな動作をすることで、はじめて目の当たりにして頂ける美しさであります。
「人が身にまとって始めて完成する美しさ」
これこそが江戸小紋の最大の魅力であり、だからこそ、江戸小紋は「着る人が綺麗に見える」着物なのではないかと思います。
江戸小紋は、柄目を立たせるためにやや渋みのあるお色目であることや、遠目には無地にしか見えないことから、とかく「地味なお着物」と思われがちですが、驚くことに、お召しになって動かれると、まるでスポットライトが当たっているように美しく輝く!それが江戸小紋です。
いかに緻密な文様を彫り、染め上げることができるか、江戸時代の閉ざされた環境の中で無限の差異への要求に応え続けた職人たち、その高度で卓越した技術を育んできた歴史に根差して今なおその究極の手技を引き継いでいる伝統工芸品です。
おそらく江戸小紋は強く印象に残るお着物ではないかもしれません。豪華な絵柄はどこにもありませんが、しかし着る人の内面からの魅力が滲み出るお着物、それが江戸小紋の真情であるのです。
まさか「内面の魅力」だなんて、それこそ自信ないわ!皆さまは謙虚にそうおっしゃるかもしれません。でもそれは大間違い!長く生きてこれば尚更、苦しみも哀しみも乗り越えてきた人生に魅力がないハズなどありません。心にできたヒダの数ほどの緻密な文様が、そっと優しく心を撫ぜて、あなただからこその魅力を引き出し、美しく輝かせてくれるのです。
ことに、「極鮫」はその代表選手といって良いでしょう。
このような細やかな柄の江戸小紋に帯を考える時、それはもう、大方の帯が似合ってしまいます。
お着物通は帯好き!でありますことから、大好きな帯に出会った時も迷わずお召し頂けるのも、江戸小紋だからこそです。
染めの帯、織の帯、名古屋帯でも袋帯でも、カジュアルからフォーマルまで。特に微細な柄の江戸小紋は、ご着用シーンにあわせて帯を着替えることで幅広いシーンに活躍いたします。
どうぞぜひ、江戸小紋をおあつらえしませんか?!
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当店の江戸小紋は(一部の反物を除き)お色と柄をご指定頂いてからお染する「おあつらえ江戸小紋」です。
そのため、店内見本にご用意のない色×柄の組み合わせは、反物に染めてしまう前に「お試し染め」(詳細⇒こちらクリックでご案内)というサービスをご用意しています。
※染めに1か月~2カ月、お仕立ては1に月半ほど頂戴しております。
『江戸小紋のおあつらえ』いろいろ、何なりと、お気軽にお申しつけ下さいませ。
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