2021年10月4日
本日は「桜文様」をご紹介いたします。
何しろ桜という花は、誰もが待ち焦がれ、人ばかりでなくてこの世の全てに春を目覚めさせてくれる花です。一斉に空を桜色に染めたかと思うと、散り急ぐ花びらを春風たちがかなたへと運び去る。もし、桜の花が咲かなければ、どんなにか心穏やかにいられるだろう、でもそれはそれで、さぞかし寂しいことであろうと、桜の咲かない春は考えられないのでございます。
世の中にたえて桜のなかりせば
春の心はのどけからまし
(在原業平)
江戸小紋の文様は季節を選ばずお召し頂けることで、桜文様は春夏秋冬、人気の文様です。それでも、もし春の盛りにお召し頂けたなら、桜ほど心を晴れやかにしてくれる花はないかもしれません。桜が咲く頃には、この世はどうなっているのでしょう。密やかな希望を込めて花びらをまとう、色んな想いを託せる江戸小紋でございます。
(小桜)
これまで様々なお色でお染めしてまいりました人気の文様です。シルバーやピンクなどの淡いお色で染めると、はんなりとした佇まいが美しい江戸小紋です。
(小桜通し)
タテヨコ整然と並ぶ桜文様です。夏の絽に涼やかなお色でお染めしたこともございます。⇒絽の江戸小紋ひんやり「小桜」 | 表参道 染一会 (someichie.com)
(桜花びら)
花びらを残して周囲を点々で埋め尽くす「地落ち」の型紙で染めた桜花びらです。桜の美しさは、満開の時はもちろんですが、春風に舞い空を桜色に染める頃、心に深く沁み入る情景は尚更でもございます。粋な墨色系に染めても素敵な文様です。
(菊と桜)
日本を代表する花、春の桜と秋の菊。欲張りな江戸小紋です。桜の気持ちと菊の気持ち、すれ違いながらも通じ合うのでございます。
(しだれ桜)
手に触れられるほどの間近の目の前に、可愛らしい花が風にゆらゆら揺れている。可憐なしだれ桜には、春をありがとう、思わずお礼を言いたくなってしまいます。
(地落ち枝桜)
江戸小紋には珍しい、枝花を描いた文様です。春の霞の中に咲く枝桜、優しいお色でお染めになると素敵かなと思います。
(桜と扇子)
桜テーマの伝統芸能の演目はあまたあるかと思います。春になればきっと、桜の季節ならではの、素晴らしい伝統の世界へと誘われてみたいものでございますね🌸
※江戸小紋専門サイトでは「梅と桜」の文様をこちらでご案内しています⇒江戸小紋|梅・桜文様 (someichie.jp)
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当店の江戸小紋は(一部の反物を除き)お色と柄をご指定頂いてからお染する「おあつらえ江戸小紋」です。
そのため、店内見本にご用意のない色×柄の組み合わせは、反物に染めてしまう前に「お試し染め」(詳細⇒こちらクリックでご案内)というサービスをご用意しています。
※染めに1か月~2カ月、お仕立ては1に月半ほど頂戴しております。
『江戸小紋のおあつらえ』いろいろ、何なりと、お気軽にお申しつけ下さいませ。
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