2017年9月8日
やんわりとして上品、上質感があり、でも肩の力の抜けたコーディネートです。
藤色系のお着物にシルバーの帯。耳で聞くだけですと、何かしっくりイメージできないように思われるかもしれませんが、どうでしょう?実際にあわせてみると、とても上品で美しいコーディネートになりました。
この調和美の隠し味は、どちらの作品にもわずかに滲むベージュ色が隠されているということでしょうか。帯のお花の縹色(はなだ色)がアクセント、そして葡萄茶色の帯揚げがコーディネートを引き締める効かせ色です。
着物は、江戸小紋「矢羽根」文様です。江戸小紋の型紙は工房ごとに保有されている型紙柄が異なります。こちらは京都で江戸小紋を染める「大野信幸」氏の工房の「矢羽根」です。
大野信幸さんは、2008年には京都府伝統産業優秀技術者「京の名工」に認定され、2015年には長年の功績を称えられて「瑞宝単光章」を受賞されました。江戸小紋を染めて50余年の熟練の職人さんです。
江戸小紋の清々しい柄をはんなりとしたお色で染める、独特の色彩感が魅力的な作品です。
ややベージュ味を帯びた藤色で染め上がっています。矢羽はすっきりとした清々しい柄ですので、どちらかというと粋な雰囲気なのですが、こんな優しい色で染めると、ふんわりとした上品な染め上がりになります。
「矢羽根」は魔除けの役割をしたり、「的を射る」という縁起物だったりします。帯あわせ次第で、プチフォーマルな場面にもお召し頂ける文様です。
友禅染め名古屋帯「小袖菊に疋田」。塩瀬に手描き京友禅の染め帯です。
古典的な文様なのにモダンな印象を感じるのは配色のおかげでしょうか?シルバーグレーの美しい地色に、グレーやグレージュ色の濃淡、そして菊のお花の中心は縹色。
糸目は真糊(まのり)糸目のために、白い茎のしなる様子が情緒たっぷりに描かれています。この白色がゆるやかに、そして清々しく映える感じもとても素敵です。情景に奥行きのある美しい帯です。
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効かせ色の帯揚げは、無地色の葡萄茶色です。帯締めはリバーシブルで、帯のグレーを拾ってくれているところが憎いです。キラキラとしたラメが魅力的です。
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