2017年9月23日
「金に糸目はつけない」なんて言われる「糸目」の語源は友禅染めにも由来します。
「糸目」とは模様の輪郭にある白い線のような部分を言いますが、この線は、あらかじめ下絵の輪郭に沿って防染の糊を置いた跡です。糸目は、友禅の色挿しをする際に線の外に染料が流れてしまわないようにする重要な工程です。もし糸目をつけなかったら、色が輪郭の外に流れ出てしまい、色んな色が交じり合い、繊細な図案を描くことができなくなります。
糸目は、自由で繊細な模様を実現させるためになくてはならない職人技です。友禅の技法は、江戸中期の扇絵師、宮崎友禅がこの「防染」の技法を発展させたことに始まります。
思いのままの絵を布に染めることができる、画期的な技法として一世を風靡した友禅染め、これを「友禅」と呼ぶのは宮崎友禅の名に由来します。
ゴム糊と真糊(まのり) それぞれの持ち味
糸目糊には、もち米などを調合した「真糊」と、化学糊を用いる「ゴム糊」が使われます「真糊」は職人さんごとに秘伝の調合があるという伝統的な糊ですが、真糊と化学糊に、それぞれに得意技が違います。
水溶性の真糊は、溶けて生地に浸透するような柔らかなラインが上手で、毛筆のような強弱がある情緒的なラインが特徴です。
ゴム糊は、輪郭がピチッと仕上がり、細やかな作業が得意技、柔らかさはない分、潔い大胆な構図にもマッチする清々しいタッチが特徴です。
糸目糊の選択にも、友禅染めのこだわりが垣間見られます
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